『SaaSの再生工場』 巨大PEファンドVistaを大解剖する。
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VistaはMarketoの時の縁がきっかけで、今のJapan Cloudでも継続的してビジネスをしていて、Apptio, Xactlyの日本進出に関わらせてもらっています。Marketoの日本法人はグローバルの中で成長率、売上シェアともに他社では見られない高い水準だった事から注目してもらい、Robert Smithをはじめ多くの経営メンバーとも直接関わらせてもらう事ができました。Vistaの強さは「Playbook」と呼ばれる門外不出のベストプラクティス集になります。VistaはVista Equity Partnersと呼ばれるファンドの組織と事業会社出身の人たちから構成されるVista Consulting Groupに分かれ、私がJapan Cloudに入社する際はこれをモデルにJapan Cloud Consultingを立ち上げた経緯があります。Playbookの内容について話すことはできませんが、PEでイメージしがちな単なるコスト削減ではなく、成長させるための採用、GTM、買収戦略などさまざまな強みがあります。また、ポートフォリオ企業で活躍した人材は、後に別の会社の経営陣として(元Marketo CEOのSteve LucasはVista関連のiCiMSのCEO)活躍したり、Vistaの中でOperating Directorとして各社の支援に当たっていることも再現性を高める大きな要因となっています。
VC業界でSaaS企業への投資/付加価値提供に圧倒的に強みを持っているのはEmergence Capitalです。過去の投資先にはZoom、Box、Yammer、ServiceMax、Bill.com、Salesforceなどが含まれます。彼らもVista同様過去のプラクティスに基づく圧倒的な経験値と業界ネットワークをもっています。業界ネットワークに関しては、SaaS業界の人材と10年以上の関係を構築し、過去の投資先でエグジットした先のマネジメントを現在投資中のスタートアップにマネジメントとして連れてくるということも日常茶飯事です。Vistaの話は「お金がコモディティする」業界の中で、PEもVCも唯一無二の価値を提供できるかが、有力案件に参加できるか否かの大きな分岐点になっている典型だと思います。Tiger Globalのように「バリエーション気にせず、早く、多くお金を出す」というのもあのレベルまで行くと、ある種唯一無二な価値なのかもしれませんが。。
Marketoの買収などで知られるVistaについての記事。
コンピューターとの出会い、その後のメンターとの出会いや、創業することになるキッカケがともかく面白い。なんというか、人生のメンターとの出会いから様々なネットワークが広がっていくパターンは、Connecting the Dotsというか、その方の準備・執着と、たまたまの縁が結ばれるタイミングで、こういったことが社会を大きく変える企業・人を生むのがまた面白い。
