首相、財務次官の批判にくぎ刺す 政策論争「ばらまき合戦のよう」
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注目のコメント
日本経済が本格的な停滞に入った1995年から2020年までの各国の政府債務の対GDP比の動きです(IMF)。
日本 0.9倍 → 2.6倍
米国 NA → 1.2倍
カナダ 1.0倍 → 1.2倍
フランス 0.6倍 → 1.1倍
ドイツ 0.5倍 → 0.7倍
イギリス 0.4倍 → 1.0倍
日本以外の各国政府はリーマンショックとコロナ禍に際して借金を増やして対策を打ちはしたものの、他の時期は横這い程度にとどめ、次のショックに備えています。日本は経済が思うように成長しないので政府が借金して財政で支えることを繰り返し、先進国最大の借金を積み上げました。この間、日本の政府総債務残高は482兆円から1436兆円まで約1000兆円増えましたが、日本の名目GDPは525兆円から537兆円まで僅か12兆円増えたに過ぎません。政府が1000兆円の借金をしてばら撒いて、GDPの増加が12兆円というのは流石に異常と感じませんか (・・?
選挙に晒される民主国家の政府は、国民の期待に応えて借金してカネをばら撒く誘惑に駆られがちですが、日本でその傾向が極端に強いことは明らかでしょう。政府が借金して需要を作っても、企業が将来を不安視して日本で投資をして生産力を増やすことを躊躇って、手持ちの設備と労働力の余剰分だけ生産を増やすにとどまって、足りない分は外国から輸入して売るだけになったら、日本の本質的な成長力は高まりません。政府が需要を作っている間は国内の生産が多少増えて輸入が増えてモノが売れて景気が良くなりますが、本質的な生産力が高まっていないので、政府が需要を作るのを止めたら需要が元の木阿弥に戻り生産が元の木阿弥に戻り、あとには政府の借金だけが残るのです。
平成時代に入ってこの方、ビジネス環境の変化への対応を怠って日本が繰り返してきたのがその姿。四半期で22兆円も需要不足があるいま、需要不足を埋めるためにも政権を維持するためにも政府が財政支出に意欲を示すのは避けがたいところでしょうが、金利が数パーセント上がれば政府も日銀も破綻しかねない姿を積み上げ続けるのが健全な道だとは思えません。日本の財政と未来に責任感を持つ財務次官なら、強い警告を発したくなる気持ちは分からないでもありません。文芸春秋、何はともあれ読んでみなくっちゃ (^^;首相はさすが諫言に聞く耳を持つコメントですね。政調会長は実に残念。もっとも欧米の政治リーダーなら「意見は自由であり、その勇気を讃えたい。そのもとで意思決定をし一致団結していきたい」とか巧い言い方しそうですが。
政府の債務残高はもはや異常値レベル。バブルは弾けた後でのみ実感できます。いわんや、我が国ではさざ波レベルと人災であり続けたコロナ禍に対し追加の財政出動など不要。諸外国のように全ての規制を撤廃することが先です。国内でファイナンス可能な円建て債務であれば、債務残高を気にしなくて良いという議論もあります。しかしそれは、国家の持つ徴税権で、個人の持つ財産が召し上げられることを前提にしています。こうした事情から、多くの国では財政赤字に憲法で歯止めをかけています。財政再建派と財政赤字容認派の両サイドの言い分にそれぞれメリットデメリットがあることを知ったうえで、このニュースは全体像を理解することが大事だと思います。