[ムンバイ 8日 ロイター] - インド準備銀行(中央銀行)は8日の金融政策委員会で政策金利のレポレートを過去最低の4%に、リバースレポレートを3.35%にそれぞれ据え置いた。

新型コロナウイルス対策で導入した金融緩和措置の縮小は、景気の回復を支援するため、段階的に行う必要があるとの認識も改めて示した。

据え置きは予想通り。ロイター調査では、エコノミスト60人全員が据え置きを予想していた。

中銀のダス総裁は「われわれはインフレ軌道が予想よりも好ましくなっていることに安心している」と指摘。「世界的な逆風にもかかわらず、われわれは嵐を切り抜け、インド経済のマクロエコノミックファンダメンタルズの基調的な耐性に導かれた正常局面に向かって航行すると期待している」と述べた。

総裁は「全体としては、総需要は改善しているが、緩みがまだ残っている。生産は新型コロナ流行前の水準をまだ下回っており、景気の回復は引き続き不均一で、今後も政策支援が必要だ」と述べた。

中銀は2021/22年度の消費者物価上昇率の予測を5.7%から5.3%に下方修正。インフレの見通しは予想よりも良好だと指摘した。ただ、通年の経済成長予測は9.5%で維持した。

総裁は「供給サイドとコスト上昇の圧力がインフレに影響を及ぼしているが、現在進んでいるサプライチェーンの正常化で改善するだろう」との見方を示した。

中銀が超金融緩和政策を早期に見直すとの懸念や、銀行システムから余剰流動性を吸収するとの懸念については「われわれの全体的なアプローチは漸進主義だ。急激なことや予想外のことはしたくない」と述べた。

中銀は新型コロナウイルス流行に対応するため、2020年3月以降、レポレートを計115ベーシスポイント(bp)引き下げている。

コタック・インスティテューショナル・エクイティーズのシニアエコノミスト、Suvodeep Rakshit氏は「中銀は目先、流動性の状況やリバースレポ金利の正常化を急いでいない。中銀がリバースレポ金利を引き上げ、政策金利コリドーを縮小するのは、早くても来年2月だとの予想を変えていない」と述べた。