【ウスビ・サコ】もっと他人に頼ろう。いつかお返しできればいい
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農業や牧畜で生きている社会ならば、共同体が無ければ生活を維持できません。生産活動は共同体でなければできないし、結婚も出産も育児も、個人の選択ではなく、全ては共同体を維持していくのに最適なようにする以外の選択肢はありません。
本当に大事なのは村単位の共同体を維持することで、国家への帰属意識や忠誠心などありません。国家規模の軍隊や警察など、つくろうとしても何かあればすぐに自分の出身地へ帰ってしまい、あっという間に跡形もなくなります。2か月前にアフガニスタンで起きたことです。あの人たちは国家が無ければ生きていけないとは思っていないし、政府など出稼ぎ先くらいにしか思っていません。
自分たちの共同体を守るため、であれば、本当に命がけで戦うし、共同体を解体させようとする外部の勢力は絶対に許せない敵で、隙を見て襲撃するか、勝てないとなったら、集団で難民になってでも共同体を維持します。
そういう何万という各地にある共同体を、何度も起こる反乱を制圧して解体していくのが近代化というものです。全国で同じ教育を義務づけ、できるだけ高等教育を受けられるようにして、若者は事務仕事ができるようにして都会に出て行くようにする、そして伝統的な共同体を解体できます。人々は、先祖代々の共同体のことなど、気にしなくてもよくなります。
これは、先進国は全てやってきたことで、やらないと1人当たりGDPが1万5千ドルを超えることはできないでしょう。そして、一度共同体を解体して先進国になれば、もう後戻りはできないことです。日本は本当にいい国と思いますが、一方で以前研究室のブログにも書いたのですが「おたがいさま」といった精神がだんだんなくなり、「金を払う客が神様」的な行き過ぎも見られるようになっています。他人との距離感がつかめなくなっているし、大人が教えられないから、ますますその方向は進んでしまうのかなと危惧しています。
ウスビ・サコ先生の連載第三回は、子育てを通じて感じた「人に頼り、頼られること」の大切さについてです。
地域の皆で子供たちを育てるマリから、「孤育て」ともいわれる日本に渡り、働く父として奮闘したお話を語っていただきました。