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これは科学的根拠に基づかない、無責任な発言と感じます。この段階でこのような発言をされると、誤解を招くのではないでしょうか。
モルヌピラビルの試験で示されたのは、あくまで重症化リスクのある人に対する入院予防の効果であって、それ以上でもそれ以下でもありません。
この薬が誰にでも有効かはまだ分かりません。副作用のリスクはそれに見合うのでしょうか?それが示されなければ、仮に承認されてもこの薬でそのような処方はできませんし、不適切な処方となりえます。
「モルヌピラビル」の臨床試験の有効性の成績は良好と思われますが、確認されている症例数がワクチンと比較して極端に少ないため、安全性の確認は十分な水準に達していないと思われます。当薬剤は、市場に出された直後は、臨床試験を補うために慎重にモニタリングされる対象になると思います。
臨床試験の結果、米国での承認・供給の見通しは、以下の記事でコメントしています。
「コロナ飲み薬、重症化リスク半減 メルク、米で使用許可申請へ」(時事ドットコム 2021年10月2日)
https://newspicks.com/news/6234069?ref=user_1310166
「モルヌピラビル」は、ウイルスの遺伝子複製を阻害する作用機序をもつ抗ウイルス薬に分類される医薬品で、新型コロナウイルス感染症の治療目的として新規に開発されたもので、内服薬です。近い系統の医薬品に抗インフルエンザ薬として使用されているものなどがあります。一般に、ウイルスの増殖抑制を目的とするという作用機序の医薬品は、感染初期のウイルス量が比較的少ない時に使用されます。炎症反応にも効果がないため、重症以上には使用されません。
軽症・中等症に使われる抗体医薬品(注射剤)とは、「投与経路が異なる」点が強調されますが、それよりも「作用機序が異なる」点に注目する必要があります。抗体医薬品は侵入したウイルスに対し、遺伝子組換えで動物の生体で作らせた抗体をヒトに投与してウイルスの毒性を中和させるもので、全く異なります。抗体医薬品は一般に高価で、抗ウイルス薬は比較的安価です。
一般に作用機序の異なる医薬品の組み合わせは相乗または相加効果が期待できるため、「モルヌピラビル」承認後、併用療法も臨床試験で検討されるでしょう。
抗インフルエンザウイルス薬の特異的副作用に「異常行動」が知られます。この点ほか、頻度が少ない副作用の出現を知るために、承認後も慎重にモニタリングされます。
これが作用機序に起因するのかは専門の方の意見を知りたいのですが、少なくともメルクの動物実験のデータを全量精査すること、安全性について十分な理解がいることは間違いないかと。
若い人から壮年期の方はとくに。
考え方によってはワクチンより不思議な方法でコロナの発症や重症化を予防しています。
mRNAを使った治療薬やワクチンはもうスタンダードになるのかな…