史上初、宇宙で映画撮影へ=女優らISSに―ロシア
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これも、今度の前澤さんのソユーズでの飛行も、SpaceXのクルー・ドラゴンでアメリカが独自に宇宙飛行士を打ち上げられるようになったことの余波です。
スペースシャトルの退役後は、宇宙飛行士の交代は全てソユーズに頼ってきました。ISSの定員はそれまで6人で(ソユーズ2機分)、アメリカ側(日本、欧州、カナダ含む)3人、ロシア側3人でした。ソユーズはだいたい3ヶ月に一回打ち上げられ、ロシア側2人+アメリカ側1人と、ロシア側1人+アメリカ側2人のパターンを交互に繰り返すローテーションでした。これまではNASAがロシアにお金を払って、ソユーズの席を買っていました。慢性的資金難のロシアにとっては貴重な収入源だったはずです。
アメリカ側の人員輸送がクルー・ドラゴンでできるようになり、ロシア側のクルーローテーションに用いるソユーズは毎回1人ないし2人の空席ができるようになりました。これを、映画会社に売ったり、前澤さんのようなお金持ちに売っているのです。
ちなみにISSクルーは半年滞在しますが、俳優や前澤さんは1〜2週間。どうするかというと、あるソユーズが3人の宇宙飛行士を乗せて到着した1〜2週間に、別のソユーズで今までISSにいた3人が帰還する、というローテーションが組まれていたため、この俳優さんや前澤さんは、帰りはこの別のソユーズで帰ってくるのです。高度80kmか、100kmか、400kmか、それぞれ違いはあれど、2021年は定義上の「宇宙」に行った民間人の数が総勢20人を優に超えますね。これからのフライト次第では30人とかになる可能性もある。これまでとは桁が変わった世界。