[香港 5日 ロイター] - 格付け会社のフィッチ・レーティングスは5日、中国の不動産開発会社シニック・ホールディングス・グループ(新力控股集団)の長期発行体デフォルト格付けを「CCC」から「C」に引き下げた。

今月18日に満期を迎える社債(2億4600万ドル)の返済を巡る不透明感が理由。

これに先立ち、シニックは一部の子会社が国内の借り入れについて利払いを実行できなかったと発表している。

シニックのコメントは取れていない。

S&Pグローバル・レーティングもシニックを格下げ。「深刻な流動性の問題に見舞われており、債務返済能力はほぼ枯渇している」とし、18日満期の社債がデフォルト(債務不履行)に陥る可能性が高いと指摘した。

香港の証券会社CHIEFセキュリティーズの株式部門トップ、トマス・クォク氏は「中国恒大集団の経営危機以降、投資家は中国の不動産開発会社の返済能力に対する懸念を強めている」と指摘。

同氏によると、多くの不動産開発会社が借り換えをできない状況になっており、流動性の問題が悪化している。不動産の売却を通じた資金調達能力も、新たな規制を受けて低下しているという。

同氏は「財務基盤が盤石ではない不動産開発会社は、悪循環に陥るだろう。誰もが市場で資金を調達できる環境ではない」と述べた。

不動産開発会社の社債の比重が高い中国ハイイールド債指数は2020年以来の低水準。5月以降、20%近く低下している。

香港上場の本土の不動産会社で構成する株価指数は2.95%下落。香港ハンセン指数は0.3%値上がりしている。

不動産の広州富力地産、融創中国の株価は8%安。オフショア人民元も圧力に見舞われている。