市販検査キットで3回「陰性」、受診見送った30代男性死亡…死後に感染判明
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重要な問題です。ご冥福をお祈りします。
まず補足としてですが、
・市販の簡易検査キット(PCRか抗原検査かも不明)で3回検査→最悪「陽性にまったくならない」粗悪検査キットだったら全く意味なし
・ワクチン未接種→感染リスク高
・9/11に発症し自己判断で療養、22日に死亡を確認→救急隊員が「既に死亡」と判断するので、おそらく死後約12時間以上経過(但し死因がコロナとは限らない)
・27日に検視の抗原検査で陽性→保証された抗原検査での陽性なので信頼度は高い
という状況であり、市販の検査キットの陰性が重要なトリガーになってしまったと考えられます。
ドラッグストアで売られている検査キットは、非常に粗悪な物が混じっています。製品箱に精度が書いていない時点で本来は論外なのですが、一般の方にこの見分けは非常に難しいです。
この様な物が売られてしまう理由は、「研究用」と銘打てば医薬品ではなく規制がかからないからです。
最近抗原検査が薬事承認され、検査キットとして一般流通されることとなりましたが、これもこの様な粗悪品に対し、クオリティコントロールがされたものを流通させようとする狙いが見られます。
そして検査に対する不理解の問題もあります。医療に置いて「100%感染を診断できる検査」というのはなく、一定の確率で「偽陽性=感染していないのに陽性」と「偽陰性=感染しているのに陰性」が生じます。これは検査試薬自体の問題もありますが、採取手技や検体の扱いでも生じ、ここに自己検査の危うさがあります。
つまり、「得体の知れない検査キット」で、「適切でない手技」で行われた検査は、もはや陽性も陰性も当てになりません。
しかし検査キットを買う動機は当然、「自分が感染しているか知りたい」であり、この事を理解して検査する人が後を絶たず、そのうちにこの様な不幸な例が生じたと考えられます。
横浜市は「症状が続く場合は受診を」と言いますが、根本的にはこのような粗悪検査キットの取り締まりと、自己検査に対する周知が不可欠です。
製造のみならず、この様なものを売るドラッグストアの社会的責任もありますが、性善説のみではこうなってしまう以上、適切な規制が必要です。
注目のコメント
ご冥福を祈ります…
市販の簡易キットは感度の低い粗悪品が混じっています。
▷未承認検査キット販売疑い、京都 コロナ抗原、業者初逮捕https://news.yahoo.co.jp/articles/56571777030580be5b30e4eee50c1990efe950c3
また、PCR検査としても、唾液検査は感度が劣ります。
▷Congrave-Wilson Z, et al. Change in Saliva RT-PCR Sensitivity Over the Course of SARS-CoV-2 Infection. JAMA 2021.PMID: 34387653
市販キットに関しては、十分な配慮が必要だろうと思います。非常に残念な事例ですね。
市販の「研究用」のキットは
精度(感度/特異度)が担保されておらず、
こう言うことが比較的起きやすいです。
陽性を拾い上げる目的には
使えるのですが、
「陰性確認」としては使いにくい
という事が言えますが、
コレは厚労省に医療診断機器認可を
受けた簡易迅速検査キットも
似た様な傾向はあります。
SARS-CoV-2用キットの問題では無く、
イムノクロマト法キットの限界で、
インフルエンザの診断においても、
キットで陽性が出なくても、
臨床所見からインフルエンザ感染が
否定できない場合には、
インフルエンザ感染疑いとして、
抗インフルエンザ薬を処方したり、
安静や自主隔離を指示したりします。
もっと言ってしまうと、
PCR検査も「存在証明」にはなりますが
陰性だからと言って「非存在証明」には
ならないと言う事実がありますので、
検査結果至上主義にならない様に、
症状や所見も合わせて判断することが
感染症対応の場合には、
とても大切になってきます。
疑い症例についても、
抗体カクテル薬や話題の内服薬などを
処方できる様な体制が本来は良いと思います。
疑い症例の場合には全額公費負担とは
ならないかとは思いますが。
加えて言うと、
受診されない限り医療は動けませんので、
今回の事例の場合には「医療ミス」と言う
言い方は適切ではないと思います。
陰性であっても具合が悪い場合は
病院や保健所などに相談するのが
大切ですね。
そこで「受診せず自宅隔離せよ」と
言われて起きたことであれば、
医療体制の問題になってきます。