この連載について
69年ぶり最終赤字となり、大きな企業変革を進めるタイヤ業界トップ企業、ブリヂストン。ただし、赤字には、ある「メッセージ」がある。「両利き」の経営変革が求められる中、これからの経営の「教科書」にもなりそうな、同社の今に迫る。
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トヨタ自動車株式会社(トヨタじどうしゃ、英語: Toyota Motor Corporation)は、日本の大手自動車メーカーである。通称「トヨタ」、英語表記「TOYOTA」、トヨタグループ内では「TMC」と略称される。豊田自動織機を源流とするトヨタグループの中核企業で、ダイハツ工業と日野自動車の親会社、SUBARUの筆頭株主である。TOPIX Core30の構成銘柄の一つ。 ウィキペディア
業種
自動車
時価総額
29.2 兆円
業績



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株式会社ブリヂストン(英語: Bridgestone Corporation)は、東京都中央区に本社を置く世界最大手のタイヤメーカーおよびそのブランド。 ウィキペディア
時価総額
3.71 兆円
業績



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Amazon.com, Inc.(アマゾン・ドット・コム・インク、/æməzɒn/)は、ワシントン州シアトルに本拠地を置くアメリカの多国籍テクノロジー企業である。電子商取引、クラウドコンピューティング、デジタルストリーミング、人工知能に焦点を当てている。 ウィキペディア
時価総額
135 兆円
業績



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もう1つはPPM、新規事業の開発自体は何十年ものテーマであること。ただ、最近の学会でもスタンフォードのアイゼンハート教授が指摘したように「新規事業に対して、最初の2,3年は投資するのだけれど、我慢が足りない」大企業が多いことも確かです。この本は「古くて新しい課題」に対して、最近の事例をもとに1つの方向性を提示したと考えたほうがいいでしょう。結局戦略とは差別化ですから、本の通りにやればよいのではなく、本をヒントにして、自社にあった変革の道筋を考え、試行錯誤する必要があると思います。
さて、これからの時代ですが、コア事業(金のなる木)を持つ会社は圧倒的な優位性がありました。なぜならば、お金を再投資することが最大の優位性を構築できる製造業のような事業が多数あったからです。今もインフラ事業などはその類でしょう。ただ、これだけ成長資金や人材を獲得するためのエコシステムがスタートアップを中心に成長してくると、必ずしも成長事業からの「資産・資本の再配分」に頼ることなくエコシステム全体として「探索」を行うことができるようになりました。
この「資産・資本の再配分」を一企業の中でやる経営が難しいところに対抗したものが、スタートアップのエコシステムとも言えるのです。
この時期で見落とされているのは、「資産の再配分」の議論です。GAFAMが旧来型大企業よりも強大な力を持つのは、プラットフォーム価値を毀損することなく配分=レバレッジ、することが可能となったからです。わかりやすい例は、ユーザー基盤やデータ活用でしょう。
いずれにせよ圧倒的な強みを有する(既存)事業を生み出せるか否かが重要で、まずはそれに拘って日本全体としてそのような事業を生み出せるか、考えていくべきだと思っています。100個の小さな成功よりも、1個の大成功が価値を持ちやすい時代。だからこそ、全員救済型の政策ばかりではなく、ある種の「えこひいき」も求められると思っています。
と、勝手に思っています。太陽の黒点みたいですが笑
これは、とにかく赤字事業を「黒字転換(黒転)」することの警鐘を鳴らすものです。
クロテンのために工場や店舗のリニューアルに多額をキャッシュを投じる必要がある、または
クロテンのために貴重なエース級人材という「経営資源」の投入するのであれば、探索に使える資源が減ってしまいます。
果たして、そこまでして、クロテンが必要かと思います。(もちろん事業譲渡するにも、黒字か赤字により、売却価格が左右されますが)
もちろん、街の飲食店や、ローカルインフラを支える組織などは話が別で、末永く続くことがミッションであるがゆえ、「赤字でなければいい」が答えになる。
一方、グローバル競争をしている企業にとっては、未来投資の原資であるキャッシュを最大化しているかという命題から逃れられません。
そう考えると、クロテンもある種の投資活動。本当にコア事業・企業の屋台骨として復活を遂げてくれそうな赤字事業に選択と集中し、そこにクロテンのためのお金と人材を投資すべき。そのような仮説を抱くようになっています。
ところで「この都市建設を探索活動と位置付けると、自動車の製造・販売が既存事業の探索に相当する。」とあったのですが、最後の「探索」は「深化」に間違いですかね。
さて、「両利きの経営」をベースに議論が展開されていますが、GoogleやLINEといったプラットフォーマーの経営職を担った経験から一言申し上げると、この手の企業では、今手持ちの「金のなる木/キャッシュカウ」というものは、「次の新しいサービスを生み出すための原資」を稼ぐためのものという意識が徹底されています。
GoogleやLINEだと広告事業がそれに当てはまるのですが、基本的な考え方として、これらのプラットフォーマーのサービスは無料でユーザに提供されており、広告事業はそれらのサービスを提供し続けるためのminetizationという風に言われます。そして、最初のサービスで関係性を築いたユーザベースに対して、更なる利便性やベネフィットを供するためにサービスを拡張して行きます。
Google で広告事業に携わる者たちは、Googleが作る未来に自らが生む収益が貢献してることを誇りに働いています。「私たちが天才エンジニアたちの新しいチャレンジを支えているんだ」という意識が、働くモチベーションの源泉なのです。(これについては拙著『破壊』(2018年、ダイヤモンド社)でも触れています。)
そうしたエンジニアたちが生み出すサービスの中には永久にmonetizeが難しいサービスもあるでしょう。しかし、ユーザの利便性は確実に拡大するわけで、そのサービスが企業理念(パーパス)にそぐう限りにおいては、それは誇るべきサービスです。サービスを通じて得られたデータはサービス改善や新たなサービス展開に活用され、ユーザがより自社プラットフォーム上で過ごすようになってくれれば、ユーザベースそのものも拡がります。
つまり、プラットフォーマーの強さは、その成り立ちからして、生来の「両利きの経営」実践者とも言えるのですが、この辺が体感的に分かってる経営者やコンサルタント、経営学者は未だ少ないように感じます。
オムニチャネルの最大化など様々な取り組みの多くは「探索領域」であり、どうやって「成長ビジネス」にさせていくかは、多くのアパレルブランドが模索中だと感じます。
どの業界であっても、Cash cowと言われる「金のなる木」のビジネスが続く間に、次なる成長ビジネスへへ育つ種まきは、必須ですね。「見極めと判断」がさらにタイムリーに求められる時代になっていると痛感します。
結局、エースは伸びない主力事業に配置され現場は手放さないので、そんな中で「探索」なんて土台無理、という感じになってしまいます
大体の事業は、関わる人にとって何らかの思いや現実があるもの。だからこそこれらが重要。
始める時は全部が成功するわけではないという期待値。成功させるという執念も併せて重要で、矛盾するが、でも矛盾するものをもっていなければ、上手くいかなかったときの止めるという判断ができない。
既存事業は、規模が大きい。規模が大きいから屋台骨となっているし、金を投じる意義もある。また稼いでいるから存在感が大きい現実もあるだろう。でも、事業環境は変化する。だから無駄になる部分があっても、組織全体としては次に投資する余白を作る必要がある。
新規事業は、基盤ができていないからこそ大変。大変ななかで「金食い虫」といった目で見られれば心が折れる。だから意義付けやコミュニケーションが重要。でも「無限に投じる」となったり既存事業でも一定のチャレンジができなければ、既存事業は稼いでも搾取される、報われない感がある。だから組織全体として両方を健全にやるために、止める判断・基準の重要性につながる。
深化と探索という矛盾するものを組織として包含できるかが、外部環境が大きく変わる中でも持続的に従業員の雇用・成長と、株主へのリターンにつなげるためには重要だと思う。
この相矛盾するものを包含するのが、長期のビジョンだと思う。そこはブレちゃいけない、ブレないから失敗も経験値とすることができるので許容でき、長期の連続性につながると思う。
またそのためにはやはり稼ぐことが重要。FAMGAとか、稼ぎまくっているから、全方位戦略で失敗するものが合っても、やり続けることができる。日本だと、同じく稼ぎまくって全方位戦略しているトヨタ。
短期間では具現化しにくく、一見するとリスクのある経営判断を行うインセンティブの設計も必要です。
「あなたの働いている事業には投資をしませんが、死守してください」
これを経営者はなかなか言えない。