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マドラサというのは、20世紀の前半までは、減っていた国も多かったです。特に1920年代からは、トルコやウズベキスタンのような旧社会主義諸国では、反乱を鎮圧しながらマドラサを破壊していくことが、重要な近代化政策として進められました。
 1980年代からは、マドラサはだいたいの国で増加に転じました。背景には、ムスリムの人口が爆発的に増えたということや、識字率が上がったということもあります。また、オイル・ショック後にサウディアラビアなどが潤沢な予算を持つようになり、世界各地でマドラサ建設を支援した、ということもあります。
 ソ連崩壊後は、ウズベキスタンなどの中央アジア諸国やアルバニア、ボスニアといった旧社会主義諸国でも再びマドラサがつくられるようになりました。
 インド、バングラデシュ、パキスタン、アフガニスタンといった南アジア諸国では、マドラサのネットワークがもともと強力で、そのきっかけは、1858年のインド大反乱(いわゆるセポイの反乱)までさかのぼります。その中から出てきた、デーオバンド派というマドラサのネットワークが、ターリバーンの基盤であり、パキスタンからの広範な支援網を形成しています。
世界のデーオバンド派
https://twitter.com/ahmadzakijp/status/1434020722414800896
 
なお、アル=カーイダやその分派として現われたイスラーム国は、マドラサを基盤としてはいません。彼らは、大学を卒業していて、特に医学部などの理工系が多く、欧米に留学していた人たちも多いです。多くは、イスラーム系学生運動上がりの活動家です。理論上の発想が共産主義に似ているインテリ集団で、世界革命のようなことを考えていました。アル=カーイダはサウディアラビアやエジプトといった自分たちの出身国の政権を奪取したかったのですが、そのためにはまず背後にいる米国を倒さなければならない、(だから直接攻撃しに行く)というのが彼らの革命理論でした。アフガニスタンは、彼らから見ると辺境ですが、当面の安全な根拠地として選ばれました。
 ターリバーンは、アル=カーイダとは育ちや受けた教育が全然違っていて、彼らのグローバル・ジハード革命理論みたいなものには興味は無かったのですが、根拠地を提供していたがために、米国との20年の戦争に巻き込まれることになりました。
第一回はターリバーンとマドラサのことは学べますが、残り3回を読んでいかないと全く全貌が見えないですね。近代国家の統治とは異なる統治の考え方が存在いうるというのは、常に我々も認識して統治国家のあり方を見直し続けないといけない、というのは必要な視座に思います。
今回の原稿を読んで、もともとは学生の集団であったターリバーンが、政権を掌握するまでの力を持った理由が、明確に理解できました。日本の政治でも、組織票を持っている集団が政権に影響を及ぼしますが、どの社会においても、多数を動員できる集団は強いです。
どんなメディアの記事より広く深く学べる塩崎先生のコメントを拝読しているだけでNewsPicksの有料会員になっている価値があるなあといつも思います♪
【果たして近代国家の統治は正解なのか】
自分はタリバンの統治にも学ぶところがあるかもしれないと考えます.果たして近代の欧米・日本の様な民主主義に基づく統治が正解なのか.本当に我々は11世紀の人々よりも幸せになったのか.

ネガティブな書かれ方をしていますが,メリット等も併せて情報を発信してほしいです.
優先順位での政策実行というのはmake senseなイメージ。イスラーム法学が成立された当時から根本が変わっていないのが問題なのでしょうか。
この連載について
教養を身につけたいけども、忙しすぎて学ぶ時間が取れない。一方で、日々のニュースだけでは、体系的な知識を得られない──。そんなビジネスパーソンに向けて、NewsPicks編集部が月ごとにテーマを設定し、専門家による解説記事をお届けする。週末のひとときで、手軽に「新書一冊分の知識」を体得してほしい。