ズーム、147億ドル規模のファイブ9買収白紙に-株価下落で条件悪化
コメント
選択しているユーザー
注目のコメント
株式を対価としたM&Aの難しさですね。特に業界の競争環境の変化が激しい分野ですから。
9/30の終値はzoomが261.5ドル、Five9が159.74ドルとなっています。合意していた交換比率によると元々Five9を約200ドルで評価していたものが、今のzoom株価だと約145ドルと言う評価になる。これは足元の株価水準よりも低いわけなので、Five9の株主の同意は得られない。
発表時のFive9の株価は177.6ドルでプレミアムは12.77%です。株式の統合なので、現金対価のTOBによる子会社化のプレミアム水準とは別物で10-30%という水準はおかしなものではありません。むしろ両者が統合することで、生まれるシナジーを株主に期待してもらえるかどうか。
zoomが交換比率を見直すことも選択肢ですが、株価が下落している中で、さらなる希薄化を伴う統合案件は株主の賛同を得られないという経営判断かと思います。オーガニックな成長戦略も常に色々な議論がされていると思います。これで一旦立ち消えましたが、Five9に限らず、zoomは今後も買う側、買われる側、双方で戦略的な動きが想定されると思います。
なお、足元株価をベースで両者の時価総額はzoomが777億ドル、Five9が108億ドルと7倍の開きがあります。ファイブナインの株価は21年1月時点からずっとほぼ同じ170ドルあたり。一方zoomは年初の350ドルあたりからいまは260程度。昨年10月は600ドル程まで上がってたのでそれも踏まえると今後がどう変化していくのかに意見が分かれるのは納得できる。
Zoomは確かに現在オンラインミーティングリーダー(もはや「オンラインミーティング」と言わずに他のサービスを使う時ですら「Zoomする」、と言われることも多い)だけど、過去にはWebEx、Skypeなど覇権の推移が激しい業界でもあり、今もGoogle MeetやTeamsなど競合も多いし、今後も新しいプレーヤーは出てくると思う。
一方でファイブ9の株価からも分かるようにコールセンターの需要は安定していて、コンシューマーの世界ほど強烈な競争にさらされないので、Zoomにとっても安定レベニューの構築に向けてポジティブだった。ZoomとFive9の買収が、双方合意で破談に。背景としてFive9が十分に株主の支援を得られなかったとのこと。7月後半発表で、Zoomの株価は8月頭には一時400ドル超だったが、足元は261ドルまで下がっていた。株式交換でのディールだったので、株価が下がるとメリットが下がる。
買収発表時の下記NP編集部の記事も併せて。
【グラフ図解】Zoomが巨額買収に打って出た
https://newspicks.com/news/6028024
※下記英語Pickからコメント転載
https://newspicks.com/news/6231545