大前研一「デジタル庁が日本を変えるのは無理」 - 日本はIT人材の給料が安すぎる
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「デジタル庁のトップがデジタルについて理解していないのも問題だが、それ以上に問題なのは、自分の役割を正しく認識していないことだ。日本のデジタル政策を構想することがデジタル庁の役割であるはずが、自身のプログラミング学習歴の話(しかも中学生でもできるレベルで挫折)をしていて、デジタルで日本をどう変革するかという構想の話がない。幹部人事で迷走したデジタル庁が日本を変えることは無理だろう。」
「日本のIT教育の問題点は、作りたいシステムを構想し、それをスペック(仕様)に書き出すということを教えていないことだ。作りたいシステムがないままに、プログラミングのルールばかりを勉強する。だから、人に言われたことをプログラミング(コーディング)するだけの人材しか育たず、「ITエンジニア哀史」の物語が生まれることになるのだ。このような人材は、世界では到底評価されない。」
「12省庁・47都道府県・1718市町村がそれぞれバラバラにシステムを開発しており、どれも開発ベンダー以外は改修できないくらいに作り込まれてしまっている。行政のシステムやデータベースは1つでいいので、この問題にデジタル庁は取り組む必要があるのだ。」
「日本の将来を考えれば、システムがわかる人間が経営者になったほうが早いだろう。プログラミングができる中高生を「ITエンジニア哀史」の世界に送り込むのもやめるべきだ。(日本では比較的人材開発がうまくいっている)ゲーム業界と同じように彼らに早めに経営を教えて、起業させる仕組みが重要である。」