[ロンドン 29日 ロイター] - イングランド銀行(英中銀)が29日発表した統計によると、8月の住宅融資は、住宅購入者向け減税措置縮小の影響が出た7月から回復した。ただ消費者は依然借り入れに慎重な姿勢を取った。

8月の住宅ローン融資額は前月比で52億9300万ポンド(72億4000万ドル)の純増。7月は17億5800万ポンドの純減だった。

8月の新規住宅ローン承認件数は7万4453件で前月から小幅減少した。

ロイターがまとめたエコノミスト予想は、住宅ローン融資が37億ポンド純増、ローン承認件数は7万3000件だった。

英住宅市場は、税優遇措置や在宅勤務の広がりによる大型物件需要の高まりを背景に2020年夏から活況となっていた。ただ税優遇措置は7月からイングランドと北アイルランドで縮小され今月末には廃止される予定。スコットランドとウェールズではすでに廃止されている。

8月の消費者向け融資は3億5100万ポンド純増。7月は3200万ポンドの純増、エコノミストの予想は3億ポンド純増だった。

ただ2020年8月との比較では2.4%減少。新型コロナウイルスの感染者が再び増えた夏場に家計が消費に慎重だったことをうかがわせた。

エコノミストは、今後数カ月はインフレの加速やサプライチェーンの問題が影を落とすと予想。

キャピタル・エコノミクスのエコノミスト、ポール・デールス氏は、景気が近く減速するのではないかと懸念を強めていると述べ、数カ月内に利上げする意向とみられる英中銀も考慮することになるとの見方を示した。