[パリ 28日 ロイター] - フランスの環境政党「ヨーロッパエコロジー・緑の党」(EELV)は28日、来年の大統領選の候補者を決める予備選を実施し、環境保護団体グリーンピースの元幹部で欧州連合(EU)欧州議員のヤニック・ジャド氏(54)を選出した。

ジャド氏は過半数の票を獲得し、自身より急進的な政策を掲げる対立候補に小差で勝利した。グリーンピースのフランス支部など環境問題に取り組む非政府組織(NGO)で幹部を務めた経験がある同氏は、毎年200億ユーロ(230億ドル)を投資して環境配慮型の経済にシフトするとともに、集約畜産を段階的に廃止し、富裕税を導入すると公約している。

ただ、世論調査ではジャド氏の支持率は約6%と低く、マクロン大統領の強力な対抗馬とは見なされていない。それでもなお、調整型を自任するジャド氏が分断状態にある左派勢力をまとめるリーダーになるかどうかが注目される。

世論調査で左派・社会党のパリ市長、アンヌ・イダルゴ氏の支持率は6─7%とジャド氏とあまり変わらない。この2人に先行しているのが極左「不屈のフランス」のジャンリュック・メランション氏だ。

一方、マクロン氏の支持率は23─26%で推移しており、大統領選の第1回投票では極右政党、国民連合(RN)のマリーヌ・ルペン氏に僅差で勝利すると見込まれている。

ジャド氏またはイダルゴ氏が左派勢力の他の候補に出馬撤回と共闘を促すことも可能だが、現時点でその可能性は低いとみられている。