【講義】生き証人が語る、日本の半導体「苦闘の歴史」
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注目のコメント
「高品質病」、いいものをつくってさえいれば必ず売れるという根拠の無い信念が足枷になる、というのは、アジアや中東ではよく目にすることです。
「いいもの」って何?誰にとって?という疑問が持たれなかったせいで、日本企業の製品が姿を消し、韓国企業や中国企業の商品が市場を席巻していったところはかなりあります。
「日本ブランド」は(技術が世界一なので)売れるに違いない、という信念も根拠の無いものでした。「中間層や貧困層は買わないだろうが富裕層は日本ブランドに飛びつくに違いない」といった信念は、今でも強くありますが、やはりこれも根拠に乏しいものです。製造業だけではなく、農業製品、食品の輸出にもいえることです。
そもそも、中間層が急増していく国々で、中間層を顧みないというのが問題でした。全部の日本企業がそうというわけではなく、大企業を含め、独自に地道なマーケティング調査を続けてアジアや中東、アフリカの中間層市場をつかんでいる企業もいくつもあります。
それでも、韓国企業の方が、現地社会でマーケティング調査を続けて、それに合わせた製品開発をしていくのは上手かったです。韓流とJ-popくらい、差がついてしまいました。
中国企業も巧みなところが多く、アフリカのスマートフォン市場を地道な現地化で席巻しているトランションのような企業も増えています。腑に落ちることばかりです。特に、日本企業のマーケティングの弱さという点では、今でもそうだと感じています。「良いものを、安く」という発想は素晴らしいのですが、「良いものとは何か」「良いものを良いとわかっていただく」ことに関して圧倒的に想像力がかけており、結果として価格設定が低くなりがちで、一流企業でも欧米の競争相手に比べ利益率が低いところが多いのです。アニメ、エンタメの世界もこのままだとどうなるか心配です。
日本の半導体産業の没落を題材に、イノベーションについて語られたすごく勉強になる記事ですね。私がすごく勉強になったのは↓のコメントです。
湯之上氏
「イノベーションは計画的に起こせないからなんですよ。」
「高品質なものを作っても、使ってもらえなかったらイノベーションじゃない。日本の技術者や経営者の多くは、良い技術さえ作ればイノベーションなんだと思っていますけど、違います。」
亀山氏
「たとえばDVDを売っている会社組織はそのままの形で残し、その利益で別の会社を立ち上げて、そこでイノベーションを起こすという考え方をしてるんです。」