塩野義製薬、コロナ軽症者向けの飲み薬 最終段階の治験を開始
コメント
注目のコメント
塩野義製薬は、2021年7月26日に新型コロナウイルス感染症治療薬について、経口投与の抗ウイルス薬として国内第1相臨床試験を開始したと発表していました。また、7月22日に初回投与(おそらく1例~数例以内)を行っており、現状、初回投与後の安全性上の懸念は確認されていないとも企業発表していました。
本日の発表は、それから2カ月を経て、国内第1相試験を終え次のステップに移行できたことを意味します。これまでの第1相試験は、健常成人男子に対して主に最低限の安全性上の懸念を検証するために実施されるもので、対象症例も数十人だと思われます。有効性については、臨床第2相試験以降で多数例対象・本格的な確認が行われます。
必要な症例数は、臨床試験の内容や環境によって変わります。新型コロナウイルスワクチンでは、数万例が必要でした。塩野義製薬の「コロナ軽症者向けの飲み薬」の場合、必要な試験の規模は1000~数千例だと思われますが、試験は国内で2100例を募り実施される計画とのことです。ここで初めて本格的に有効性が検討・確認されると同時に、比較的多数例での安全性が確認されます。無症状・軽症用医薬品であればあるほど、日本在住者の臨床試験参加者の確保に苦労する例が多いのが現状ですが、成功には日本在住者の積極的な参加が不可欠です。
塩野義製薬の経口薬は、既報で抗ウイルス薬と紹介されています。同系統の医薬品では、米ファイザーと米メルクがともに重症化抑制の臨床第2/3相試験の最終段階、自宅療養者と同居する方への感染予防効果の臨床試験の初期~中期段階を実施していることが企業発表されています。これらライバル薬との競争になります。
関連記事
「米ファイザー、経口投与の新型コロナ予防薬の大規模治験を開始」(Reuters 2021年9月28日)
https://newspicks.com/news/6221341?ref=user_1310166ファイザーが同効薬の第2/3相試験をアナウンスしたので、その対抗と思われる。
https://www.pfizer.com/news/press-release/press-release-detail/pfizer-starts-global-phase-23-epic-pep-study-novel-covid-19塩野義頑張れ。
またうまくいけば、世界に輸出して日本経済にも貢献してほしい。中国経済が最近不穏な空気で、日本にも悪影響及ぼしかねないので、日本経済のためにも頑張ってほしい。