[ロンドン 27日 ロイター] - 英航空機エンジン大手ロールスロイスは27日、スペイン子会社のITPエアロを、プライベートエクイティ(PE)企業ベインキャピタルが主導するコンソーシアム(企業連合)に17億ユーロ(20億ドル)で売却することで合意したと発表した。

これにより資産売却計画の目標20億ポンドを事実上達成した。

同社の株価は11%急伸し148ペンスと2020年3月以来の高値を付けた。

ロールスロイスは昨年、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)に伴う航空需要の低迷で打撃を受け厳しい状況に直面。バランスシートの健全化に向けて20年8月に20億ポンドの資産売却計画を発表した。ジェットエンジンのタービンブレードを製造するITPはこの計画で最大の資産となる。

ロールスロイスのウォーレン・イースト最高経営責任者(CEO)は、ITPの売却はこの計画における「重要な節目だ」と述べた。

広報担当者はITP売却により、資産売却目標の20億ポンドに近づいたことを確認。「きょうの発表は事実上、売却計画の完了を意味する」と述べた。その上で「引き続きポートフォリオ内の非中核資産の評価を行い、常に株主価値の最大化に焦点を当てていく」とした。

ITPは売却後もロールスロイスのサプライヤーにとどまる。同資産の売却は取締役会の承認済みだが、依然として規制当局の承認が必要となる。来年上期に完了する見通し。

ベイン主導のコンソーシアムにはスペインのSAPA、JBキャピタルが含まれる。業界パートナーがさらに加わる可能性もあるという。