2021/9/29

【恒大危機】それでも中国不動産バブルは続く

フリー ジャーナリスト
中国をはじめとした、世界の最新ビジネストレンドを紹介する連載「Think Different, Later」。
ダイナミックに成長するアジアから、示唆にあふれたストーリーを現地投資家、アナリストらがお伝えします。
ナビゲーター役は、わたくしジャーナリストの高口康太が務めます。今回は特別編として「中国・恒大集団の破綻危機」をテーマにお伝えします。

規制が生んだ流動性危機

中国不動産大手・エバーグランデ(中国恒大集団)の債務危機が注目を集めている。一部の債権がデフォルトに陥り、9月13日には広東省深圳市の本社前で個人投資家による抗議集会が実施されたことで、一気に危機感が高まった。
今年6月末時点で有利子負債は5717億元(約10兆円)、負債総額は1兆9665億元(約33兆円)という巨額債務を抱えている。米国市場や日本市場の株安要因になるなど、一企業の危機を超えて「中国版リーマン・ショック」の引き金になるとの警戒感まで広がっている。