[香港 27日 ロイター] - 27日の香港株式市場で、中国の不動産開発大手、中国恒大集団傘下で電気自動車(EV)の開発・生産を手掛ける中国恒大新能源汽車集団の株価が一時26%下落した。

早急な資金支援がない限り先行きが不透明だと警告し、人民元建て株式の発行計画を断念したことが嫌気されている。

同社は24日の引け後、迅速な資金注入がなければ資金繰りが破綻すると警告し、中国恒大集団の他事業部門でも流動性危機が悪化していることを浮き彫りにした。

中国恒大新能源汽車集団の株価は27日、一時26%安の1.66香港ドルまで下げた後、2.2%安に値を戻している。

一方、中国恒大の株価は一時5%上昇したものの、先週付けた約10年ぶり安値近辺で推移している。

3050億ドルの負債を抱える恒大は、23日の期限までにオフショア債の利払いをできず、30日の猶予期間に入った。この件について同社から説明はなく、世界の投資家に同社のデフォルト(債務不履行)への懸念が広がった。

だが、同社の経営危機が世界的な危機につながるとの懸念は薄れつつある。

IGマーケッツのアナリストは、市場が中国恒大の問題に揺れ動く時期は終わり、「破綻する見込みだが中国金融システムの大きなリスクとはならず、世界市場にも影響が広がらない一企業の問題と今後は見なされる」と指摘した。