[ウィーン 26日 ロイター] - 国際原子力機関(IAEA)は26日、イランがこのほど合意した査察官による監視装置整備の条件を完全に守っていないと指摘した。

イランは12日、国内の核施設に設置された監視カメラによる記録を継続させることでIAEAと合意。これを受け、米英独仏はIAEA理事会でイラン非難決議案の採択を求めないことを決定した。

IAEAの声明によると、イラン側はカラジにある遠心分離機部品製造施設へのアクセスを認めず、グロッシ事務局長は「12日に発表された共同声明の合意条件に反する」と指摘。イランはカラジ以外の関連施設で、20─22日にかけて査察官による監視・モニタリング機器の整備と記録媒体の交換を許可したという。

これに対しイランのガリババディIAEA担当大使は、IAEAの指摘は不正確で、共同声明の合意事項を逸脱しているとし、カラジの施設が安全保障面と司法面の審査対象となっているため、「この施設に関連する機器は合意対象に含まれないことを協議で示した」と説明した。