[上海/北京 24日 ロイター] - 中国の不動産開発大手、中国恒大集団のデフォルト(債務不履行)懸念が今月強まったのを受け、中国の銀行、保険会社、シャドーバンク(影の銀行)の一部は不動産開発業者への新規融資の提供を停止し、不動産部門への融資残高を精査している。

3050億ドルの負債を抱える恒大は、23日の期限までにオフショア債の利払いをできなかったことが関係者の話で判明している。

中国光大銀行のアナリスト、王一峰氏は「市場は不動産会社にキャッシュフローの問題が集中している現状を懸念しており、これは銀行システムの大規模な不良債権リスクを招くとみられている」と指摘した。

国内第4位の銀行、中国銀行は恒大の債務問題による影響を防ぐために顧客のデベロッパー全てを注意深く監視している、と事情に詳しい関係者は明かした。

上海銀行の関係者は「恒大だけでなく、債務水準が高い不動産開発業者の一部が流動性逼迫、あるいは破綻の瀬戸際にあるとの見方がある」と述べた。

市場を落ち着かせるために、民生銀行、浙商銀行、光大銀行を含む中国の銀行は恒大や不動産部門への融資残高を自主的に開示する異例の措置を取っている。

しかし、銀行は実際、一部のデベロッパーの財務状態が急激に悪化することを見越し、質の低い不動産資産の圧縮に奔走している。

中信銀行の上海支店の1つでは、デベロッパー向け融資について、返済条件などを精査し始めたという。関係者が明らかにした。

同行は貸倒引当金やリスク耐性を強化しており、恒大がもたらすリスクに対し十分に備えがあると表明した。

中国華融資産管理(華融)は数年前に恒大向けの与信条件を厳格化しており、ここ数週間には他のデベロッパーへの融資条件も厳しくし、規模の小さい都市でのプロジェクトに関し、融資のハードルを高めた。