2021/9/27

【提言】SPACの選択肢が「スタートアップ」を変える

NewsPicks 編集部 記者・編集者
日本のスタートアップ企業をターゲットとするSPAC(特別買収目的会社)、ポノ・キャピタルが8月11日、米ナスダック市場に上場した。
目論見書によると、主なターゲットはバイオメディカル、ドローン、AI(人工知能)など、新しい技術を活用した産業。日本や東南アジアのスタートアップの買収を狙う。
SPACとの合併による上場は、日本のスタートアップの新たな出口となれるのか。
NewsPicksは、同社社外取締役に就任したコロプラ元副社長で、エンジェル投資家の千葉功太郎氏を直撃。
SPAC設立の経緯や、日本のスタートアップがナスダックに上場するメリットなどについて聞いた。
INDEX
  • なぜSPACは流行ったか
  • 起業家の「選択肢」を増やしたい
  • 新市場開拓こそ「SPAC向き」
  • 我々と合併する「3つのメリット」
  • 「日本版SPAC」の可能性

なぜSPACは流行ったか

──日本の企業をターゲットとするSPAC設立の経緯を教えてください。
千葉 社外取締役を務めるポノ・キャピタルは、ハワイ在住の日系米国人の起業家や投資家らと設立しました。ハワイのスタートアップ企業にも投資をしている関係で、現地の起業家や投資家と交流が生まれたことがきっかけです。
私も彼らも日本が大好きで、日本のスタートアップ・エコシステムを盛り上げたいと考えています。
米国でSPACが盛り上がっている状況を見て、これが日本のスタートアップの新たな選択肢になり得ると感じました。
ただし、私は実際に体験し、手触り感を得た上で、考えるというのをポリシーとしています。投資でも何でも、全てそうです。
ニュースやデータを見ただけで、批評するのは簡単ですが、実際に見えない世界が現場にはあります。
だからSPACも、その感触を確かめようと、自ら立ち上げました。