国際共著論文の拡大へ。文科省が新たに支援する「国際先導研究」とは?
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海外に長期行くのは不安だったり面倒だったり予算が取れなかったりで、結構心理的敷居が高いことは十分理解できます。それでも、私は海外にというか海外に限らず別の組織に武者修行に行くことを強くおすすめします。
「同じ釜の飯を食う」という言葉がありますが、ちょっと一緒に共同研究するくらいでは駄目で、一緒に長期間行動をともにし、文字通り一緒に食事に行くくらいの仲間を作ることがその人のその後の価値になると思います。
私もチャンスを得て2年間在外研究をすることができましたが、その時の仲間はいまでも大きな国際会議に出れば「ラボの同窓会をしよう。Toshiも学会に来てる?」とメールが来るし、日本に来るとなれば「Toshi、東京に行くんだけど会える?」と連絡が来ます。というか、ノーアポでわざわざラボまで遊びに来ることも(苦笑)。教員になった友人とお互いに交換留学したこともありますし、企業に勤める友人にインターンの受け入れのお願いをしたことも。
後もう一つは、自分の組織にいると会議や雑用に忙殺されて落ち着いた研究ができるとは言い難いですが、他組織にお邪魔することで自由時間が増えるというメリットがあります。上記の海外にいる間は「今日も暇だ。よし、今日は20本論文を読もう」なんてことが普通にできました。研究のアイデアを頭から煙が出るまで考える日を何日も持てました。
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どーぞいらっしゃって下さい
あ、これで復活するかな、コロナ直前にあった、東北大の流体研究所(?)とうちの航空宇宙工学科のハナシ (牛タンも食べたいし あ、ワタシは流体を受ける側の構造の方で絡んでました)
ただ正直、「相互」にはあまりこだわらない 、つまりニホンから行くだけの方が上手く行くと思いますねぇ いつも思うのですが、その辺が割りきれてないんですよねぇ、中国政府に比べて 少ないお金(ゴメンナサイ)にアレモコレモ詰め込み過ぎ、って言うか 果実刈り取りを目指すのが速すぎって言うか お役所のローテーションサイクルとも関連してるんですかねぇ。。。 まずトレーニング目的で他は no string attached のプログラムで若者をたくさん送るのから、そしてそのプログラムを10ー20年続けることから始めないと まだ優秀な若者が研究界いるうちに。。。
ナマイキ言ってスミマセンへーーー、いい制度なんじゃないでしょうか!うちと共同研究したい方もぜひ!
ただ、うちのような非大学の研究所で難しいのは、予算シンクロ問題なのですよね。どういうことかというと、仮にこの日本の予算である研究テーマの研究者が来てくれたとして、じゃあ共同研究をするこちら側の職員の給料はどの予算から払うか
っていう。日本の予算ですから大抵はアメリカの研究所の非日本人にお金は出せません。こちら側としても外国政府のお金を受け取るのは手続きが煩雑です。すると、受け入れ側でも同じテーマの予算が同じタイミングで必要になります。でもプロポーザルは当たり外れがあるので、そううまくタイミングを合わせられない。
まあもちろん、相手が大学なら教授の給料は大学からくるため何しても自由ですし、そもそも基礎研究ならテーマの自由度は高い。でもうちみたいにみんなプロジェクトから給料が出てる研究所で、かつ応用メインでテーマがspecificだと、なかなかシンクロが難しかったりします。難しい問題ですね。
あとはSaito先生と同感で、相互派遣が義務だとしんどいです。単身赴任を極めて嫌うアメリカ人的には、特に家族がいる人の海外派遣はハードルが高い。未婚の若手ならフットワークは軽いでしょうが。外国の研究者とチームを組むためには、世界的に評価される水準の論文を刊行しているだけではなく、国際的な学会や研究会に行って、懇親会などで話し込んで相互に高く評価し合う関係を築けることが必要ですね。
パーティーのような場で、割り込んでいって、相手の関心をつかめるような話題のストック、気遣い、それに積極性も必要になります。研究室にこもって実験と論文執筆に専念しているだけでは無理です。
チームを組んでからのオルガナイザーとしての力量や、プロジェクトの方向を常に提示できるリーダーシップも求められます。予算を持っていればいいということはなく、少なくとも優秀な外国の研究者とチームを組むためには、そういうこともできなければなりません。
もちろん、全ての研究者がそういうプロジェクト・リーダー的なポジションである必要はありません。ただ、日本人が世界的にトップ水準の研究成果を出していくためには、そういう日本人研究者も必要です。そして、そういうタイプの日本人は決して多くはありません。