2021/10/7
【議論】日本の息苦しさと、地方への処方箋
九州の中核都市・福岡。いま、この地に移住して拠点を構え、新たな挑戦を続ける2人がいる。
編集者・佐渡島庸平と、起業家・諸藤周平。
資本主義システムの中で成功してきた2人はなぜ、これからの未来を、東京ではなく福岡に見いだしたのか。対談から見えてきたのは、ポスト資本主義の「幸せ」という視点だった。
本日は、対談の後編をお届けする。
>>前編はこちら
(聞き手はNewsPicks編集長・池田光史)
INDEX
- 自分らしさの「気づき方」
- 将来が不安という「らしさ」
- 気候変動に向き合う「条件」
- 執着すれば、東京と比べなくなる
- ヨーロッパにあるヒント
- 日本の息苦しさ
※この特集記事は、8月31日に開催されたNewsPicks主催の地域経済イベント「New Era, New City」の中から、プレミアムセッションの内容を再構成して、前編・後編の2回にわたってお届けします。
自分らしさの「気づき方」
池田 前回は、「幸せな状態」とは何か、というテーマで終わりました。
「まずは自分らしく生きて、それが社会に認められて、未来にもつながっている状態」ではないか、と。
ただ、「自分らしく生きる」のは、とても難しい。
私も九州の出身ですが、「いい大学に行って、大企業に入る」「公務員を目指す」といった価値感は、根強く存在します。
どうすれば、身の回りの社会通念のような環境と向き合いながら、あるいは親から教えられた価値観とも向き合いながら、自分らしさを見つけることができるでしょうか。
佐渡島 「自分らしさの探し方」というような言い方をすると、まるで「自分らしさ」には探し方のルールが存在して、地図を持ちながら、どこかにある「自分らしさ」を探索できるような関係だと考えてしまうかもしれない。
「自分らしさの探し方」とか「本当の自分」とか言い出してしまうと、間違った所へと向かって、どんどん苦しくなっていく感じがするんです。