「植物工場」が普及しない本当の理由とは
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数年前に大きなブームになりましたが上手く行っていないのですね。当時から不思議だったのは、威勢の良い計画に割には、詳細な収支計算のシュミレーションを見たことがないことです。日本の電気代の高さやCO2を出すエコでない生育方法を考えたら、時代に合わない面もあると思います。
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普及すると思わせてしまう期待感があるからではないでしょうか。
特に諸条件の異なる欧米が投資しているというニュースが現実を見る目を曇らせています。
もちろんごく一部では、成果を出すとおもいます。例えばワサビや育苗に特化するなど面白いでしょう。
しかしそれが食料問題をとか未来の農業をとかいうと途端に眉唾となります。人口光の植物工場は見た目は未来を予感させますが、照明と暖房にかかる電気代のランニングコストは高く、路地栽培は土からの栄養と太陽光はほぼ無料と比べると、路地栽培のコストにはかないません。
1番の問題点は工場設備を作ってしまわないといけないので、投資額が大きく、この初期の設備投資によって、減価償却費は高くなってコストを圧迫、CO2使用量を大幅に上がってしまい、まったくエコではありません。
また生産できる野菜も成長が速く、照明からの光に影ができにくい葉物の中のレタスなどに限られており、路地と比べると環境ストレスがないためか、風味が弱く、食感も弱いです。
よって、人工光の野菜は、物流費が低減できる、安定供給できる、洗浄工程が少ない、外葉の汚れがないので歩留を上げられる、などの野菜栽培コスト以外が低減できる場合にトータルコストで黒字にできるのかが現状では焦点となっています。
海外でも砂漠や寒冷地帯、今後は宇宙などでは有用な技術であり、一般消費としての人工光野菜は、栽培効率が一気に上がるようなブレイクスルーまで待たないといけないかもしれません。