豊かさが導く「人」中心の社会が持続可能な社会を実現する
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どうすれば「持続可能な社会」が実現できるのでしょうか。SDGsなど一部で大きく盛り上がりを見せてきつつあるのは間違いないですが、本気で取り組んでいる人はまだまだ少数派ではないでしょうか。
「持続可能な社会」の実現には、まずもって「人」の豊かさが必須要件だと私は思います。
皆が殺伐としていて、他人を羨み、他人に敵意を抱き、その日暮らしで明日の食事や命もままならない状況で、サステナビリティを唱えても空虚な幻想にしかなり得ません。
本気で考えるべき時代が来たからこそ、一つ一つ紐解いて、皆で考えられる素地を作っていくことが本当の出発点になるのではないでしょうか。資本市場での対話を重ねてきた村上さんだからこその提言。
人々が豊かになり、短期ではなく長期、そしてより広範囲かつレイヤーの高い課題に向き合わせる原動力になっている。そのこと自体が広い範囲でのステークホルダー=人と社会を中心としたサステナブル資本主義に意識を向けていく必要があるとのこと。
我々はスタートアップとしてまだまだ短期目線になりがちですが、企業のステージが進むとより長期、広範囲、レイヤーの高い課題解決の方向にむかっていくのでしょうし、早くそのステージにあがっていかなければと思いました。金融市場を知り尽くした村上さんだこそ、重みをもつ持続可能な社会への提言。是非この村上さんの本を起点にこの議論を盛り上げていきたいです。
地球中心のSDGsから人中心のWell-beingへの道筋も、まさにその流れの中にあります。石川よしきさんたちとWell-beingに取り組み続けて感じるのは、豊かになった人々は心の底から持続可能性を信じているということ。つまり、これらの社会変動の中心は、人が持続可能な地球や、Well-beingな社会に住みたいという「需要」から来てるということです。
うまい、やすい、はやい、だけが経済的に成功すると思われている世の中において、そうではなく、「難が有っても有難い人生」や「自然に囲まれてちっぽけな自分を感じる環境」、そして「面倒なことも多いけど、やっぱり一緒に時間を過ごしたいし、20年後も友達でいたい仲間」が本質的に求められている。
事業における成功は、人の需要を捉えている、という意味で社会進化の重要な指標としてとらえられてきましたが、こういった複雑で、でも実感できる豊かさは、客観的、交換可能な金銭という形に変わりにくいこともある、というのが受け入れられてきています。もちろん、これを資本主義における事業化できたほうが多くの人を巻き込みやすくなりますので、そういったビジネスイノベーションを引き続き目指すことで産業化すべきだ、というのが私の意見ですが、同時に、その難しさに正面から向き合うことも大事ですね。
なぜこの数百年の間で、人間関係を改善することのできた事業形態が多くないのか、それを考えながら、事業イノベーションを是非生んでいきたいです。興味ある人は是非!