中国アント傘下の小口金融「花唄」、中銀に信用データ供与を開始
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消費者情報の政府(共産党)への提供に否定的であったアント・グループも、当局の圧力に抗しきれなくなったということでしょう。
中国では、9月1日に「データ安全法」が施行されました。同法では、警察機構や国家安全保障機関は必要な場合に、規定に則ってデータの提供を求め、組織や個人は協力しなければならない」と定めています。
中国共産党は、全ての情報を自らが管理しなければ不安なのでしょう。中国当局は、陰に陽に、国民の情報やデータを有している企業に対して、それらの提供を要求していくと考えられます。「花唄」の利用者がどう思うかですが、共有される情報が、アカウント開設日や与信限度額、使用状況などの情報のみであれば、いわゆる個人信用情報機関に共有される情報と同じレベルであり、あまり騒ぎ立てる状況ではないかもしれません。確かに消費情報などになってくると別次元ですが。あとは、収集したその利用目的次第でしょう。
なお、すでにアント・グループも出資している個人信用情報機関「百行征信」には同様な情報は共有されてます。日本でも、KSCやCIC、JICCという個人信用情報機関はあり、過剰貸付防止につなげてます。アントグループの解体がはじまっています。中国規制当局は融資ビジネスの切り離しを要請、アントグループの主力商品である後払いの花唄と短期融資の借唄がその対象になっていました。
同時にスコアリングの芝麻(Zhima Credit)の信用情報を、中国信用情報機関に引き渡すことも。それを実行に移したということでしょう。Zhima Creditはアリババやアントグループのクロスセル促進に使われていますが、個人を超過債務におとしいれる恐れがあるという判断からです。
中国政府は、金融サービスと決済間の「不適切なつながり」を断ち切るため、Alipayとローン事業を明確に分離する方針です。アントグループの解体が急ピッチで進んでいます。