新着Pick
29Picks
Pick に失敗しました

人気 Picker
フランスを含むEUがAUKUSの構築に激怒するのは、潜水艦の契約破棄という単一の事象に対してではありません。また、バイデン大統領の「アメリカ・ファースト」への不信感だけでもなく、英国、米国、オーストラリアという、英国の身内(英国から独立した米国と英連邦の一部であるオーストラリア)が、軍事協力を強化することへの警戒心もあるでしょう。
特に、欧州各国も、中国への対応に温度差はあるにしろ、インド太平洋地域において新しい国際秩序が形成されるのではないかとの認識を有しています。ドイツ外相がメディアに寄稿した文章にも、「欧州はインド太平洋にもっと積極的になるべきだ。さもなければ、将来のルールを他国が決めることになってしまう」という趣旨のことが述べられています。
そのインド太平洋において、フランスもドイツ同様、軍事プレゼンスを示そうとしてきましたし、オーストラリアとの潜水艦建造の契約は、単なるビジネスだけでなく、フランスがインド太平洋地域における軍事協力枠組みに積極的な役割を果たすという意味もありました。
フランスは、潜水艦建造に関して、最初の約束どおりの金額の3倍近くの金額を要求し、90%をオーストラリア国内で建造するとしていたものを、今では60%とし、さらに少なくする方向ですから、オーストラリアが契約を撤回するのも無理はないのですが、フランスにとって、あるいは英国以外の西欧諸国にとって、AUKUSの設立は、新しい国際秩序形成の中で自分たちが蚊帳の外に置かれるという危機感を強める効果を持っているのだと言えます。