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私は第1子の出産をアメリカで経験しましたが、「立ち会い出産」という言葉がありませんでした。「立ち会わない出産」というのが、シングルマザー以外にほとんどないからだと思います。お母さんだけが実家に帰って出産なんて、そろそろ時代遅れになってほしいと20年以上前から訴えてきたのですが・・・。
ちなみに忌引きは労働基準法に規定がありません。ですので「忌引きが認められなかった」と会社を訴えても勝てません(有休を取ればいいのですが)。厚労省では、「社会的に認知された休暇」と分類しています。「法的な根拠はないが、社会通念として認められている」という制度なのです。
「夫の産休」も忌引き同様に「社会的に認知」されるべきだと考えますが、今回法的なお墨付きまでついたのです。取るのが当たり前の休暇になってほしいと思います。(女性だけではなく)働くすべての人の背後には、子供や介護を必要とする高齢者がいて、そのことを前提として職場が回らないと、日本は子育てや介護のできる社会にならないからです。
それでも赤ちゃんは3時間おきには泣いてしまうので睡眠もなかなかまとまって取れず、生後一ヶ月、二ヶ月の時期はどんな過ごし方であったか、正直ヘトヘトで記憶がまざっています。
この状態で家事まで加わると1人ではもう対応できない状況です。この状態を男性側も一緒に育児と家事を経験することで、実体験から見えて来る気づきがあると思いますし、兄弟姉妹がいればそのお世話も一緒に行えるだけで心強いと思います。取得された方の経験を聞くと、取得して本当によかったという気づきを共有いただいています。
男性側ももうすぐ生まれると時期が近づいた状態になってはじめて取得できるか悩むのではなく、計画的に周囲の環境理解、その期間の周囲のサポート体制などそろえて、なんとなく休みに入ることが申し訳ないではなく、誰しもが当たり前のように取得できる状態をどんどん、目指していきたいですね。
女性は、子育て中にお子さんの事情で想定外の急な早めの帰宅が必要だったりするのも、周りの理解がある職場が多いと思いますが、男性も50%協働しないと女性の社会復帰は厳しいです。そのために、職場で男性に対しても理解を深めることも大事です。
外資系企業は、本社からそのような理解と体制が浸透しています。アメリカにいた頃感じたのは、出産に関して仕事を休むという意味では男女共に50/50な感覚です。お互いの協力があるから、出産後の女性の仕事復帰も4ー5ヶ月後です。日本企業は進んでいる会社と、まだまだ理解に伸びしろがある職場も多いのではと思います。女性が社会進出するには、企業の男性社員に対する意識改革は必須ですね。
休むことで肩身の狭いを思いをすることもありませんし、チームの皆で新しい命の誕生を祝福し、協力し合って不在の間の業務をカバーします。
日本企業においても、それがスタンダードになると良いですね。
「男性産休は、子どもの生後8週間以内に最大4週間まで父親が育休を取れるようになるしくみ。妻の出産時と退院後に分けて休むニーズも想定し、分割して2回まで取ることができる。従来の育休も、来年10月からは2回に分割できるようになる。」
分割できるなど柔軟に取得できるところもいいですね。
男性産休という考え方が全く浸透していなかった時に、長期的に休暇を取ってくれた主人には感謝しています。
この改正育児・介護休業法、「男性産休」以外にもさまざまなポイントがあります。
2023年度からは1000人超の企業に対し、育休取得率の好評を義務付ける制度も開始されます。
特に現在の新卒世代が重視するwell-beingのデータが可視化される事で、企業の採用活動にも大きな影響を与えるでしょう。
女性の妊娠・出産は身体に大きな負担がかかります。しかし世間では未だに「健康+α」程度の感覚で妊婦を捉えている方が多いのも現実です。
分娩日は予測できません(正常な期間でも5週間の幅があります)。予定日近辺に産まれると思っている男性が出張に行き、その間に産まれるという事件を経験したこともありました。
この様な問題に対し、制度上休みが設けられ、特に「分娩前の妊婦」に向き合える時間ができた事は非常に大きいと考えています。
しかしこの制度にも問題点はあります。
この休みは「2週間前までの申請」という規則があり、分娩日に合わせて突発的に使えるものではありません。
また突発的に早産などになった場合、新生児はNICUに入院するなど母子に大きな負荷がかかりますが、これに対応できる制度にもなっていません。
この辺りは企業側の認知と制度利活用の工夫が求められます。
問題点は当然ありますが、まずはこの様な事が義務化される流れは素晴らしい事であり、これを契機に男性育休が拡大することを期待しています。