三菱UFJ、米地銀個人部門を売却 米大手に8800億円
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<追記>19時に開示が出た(①)。説明資料が②、併せて、適時開示ではないがMUFGのリリースサイトでは米通貨監督庁(OCC)との合意文章が出た(③)。顧客上についての内部管理が不十分といった指摘への対応で、同じタイミングで出てきたあたりが今回の背景の一つにあるのだろうと感じる。
リリースでの背景・意義は、デジタル化にともなってスケールが求められることとある。ただUS BancorpへのMUFGの持ち分は2.9%なので、20%保有し持分法適用のMSとの関係性とはレベル感が違う。
金額は80億ドル(8800億円)はUS BancorpがMUFGに払う金額。その前にMUFGは配当・自己株で資金を96億ドル吸い上げる(US Bancorpからすると買収して得るものが現在より減ってから買う)。Union Bankの資本などが減ってもUS Bancorpの連結ベースで問題ないなどを背景としたスキームなのだろう。
①https://www.mufg.jp/dam/pressrelease/2021/pdf/news-20210921-001_ja.pdf
②https://www.mufg.jp/dam/ir/presentation/2021/pdf/slides210921_ja.pdf
③https://www.mufg.jp/dam/pressrelease/2021/pdf/news-20210921-002_ja.pdf
<追記終>
16時現在で開示はなく、日経の報道のみ。
US Bancorpと現金+株式交換という観点で、
①米国での海外戦略は止めない(証券でのMSとのJV形式みたいになっていく)
②米国が自社連結から外れるので、規制関連では楽になる?(ここらへんは調べ切れていない…法人関連部門は自社に残るという点も影響するかも)
みたいな狙いか。
ちなみに、US Bancorpの時価総額は、MUFGとほぼ一緒で9兆円前後。米国地銀(というか全米展開はするがグローバル展開はしていないところ)ではWells Fargoの次という感じ。
先週金曜の初回報道時のPickはこちら
https://newspicks.com/news/6197213
注目のコメント
米国市場の成長を追いかける上で、地元のスティッキーな個人預金は重要なはず。
確かに金利低下で預金の収益力(預金スプレッド)縮小はあるが、テーパリングの向こうを見据えれば、長期的には改善余地があるはず。
むしろ、OCCからの業務改善命令に係る内部管理態勢の整備を行う上での、コスト負担を踏まえての決断かもしれない。例えリテール部門単体で収益が上がらなくても、リテールを持っていない他メガ対比では良いドル資金の調達源になっていたと思っていましたが、全体の調達コストを補うだけの融資需要が細っているということでしょうか。
法人部門は残りますし、売却先のUSバンコープには出資をするようなので、今後とも他メガにはないビジネスモデルを追求して欲しいと思います。米国でも伝統的な商業銀行の収益環境は厳しさを増していて、USバンク等の大手はデジタル技術を駆使して顧客の日々の動きを具に把握して、イベントベースのマーケティングで鎬を削っていると承知しています。かつてトリプルAの格付けを誇って米国に進出した日本の銀行が次第に力を失ってユニオンバンクと競ったSumitomo Bank of California等が撤退した後も、ユニオンバンクだけは残ってた。しかしユニオンバンクと雖も遂に戦えなくなって来たということか・・・ 日本の銀行が挙って米国に進出した昔を知る私には一つの時代が終わったように感じられ、実に寂しい限りです (._.)