【秘話】あの醤油メーカーが、ワクチンの重要パーツを作っていた
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新型コロナのmRNAワクチンに欠かせない重要な原料の一つを、日本の老舗醤油メーカーが作っていると知ったときは驚きました。
背景を知ってなるほど、と思いました。日本食が誇るうま味成分とも密接に関わっていたことや、往年の研究者の生き生きとした仕事ぶりに触れ、ちょっと嬉しい気持ちになりました。
読んでいただくとわかるように、その原料は、特集の第1回のインフォグラフィクスで紹介した、「mRNAワクチンを生んだ2大ブレークスルー」の片方に関連しています。取材の過程でのもう一つの驚きは、なんともう片方のブレークスルーにも、同じ醤油メーカーが貢献していたと知ったことでした。
岡記者と私が感じた2つの驚きを、ぜひ、読者の皆さんと共有できたら嬉しいです。世界中で接種が行われている、新型コロナウイルスのワクチン。実はその重要パーツを、日本の老舗醤油メーカーが作っています。
「なぜ醤油メーカーが?」と疑問だったのですが、彼らが医薬品を手掛けるようになったきっかけは、日本食には欠かせない「うま味」の研究にありました。
個人的にとても印象に残ったのが、研究員だった國中さんの記録。「強烈なうま味が口の中で爆発」「比べものにならぬほどの濃厚な味わい!」など、グルメ漫画を読んでいる気分になりました。
こうした研究のおかげで、我々が打ったワクチンが実現したと思うと、本当に頭の下がる思いです。免疫原性を制御するための特殊核酸「シュードウリジン(pseudouridine)」はmRNAワクチンの実用化にあたってとても重要な原料ですね。
ヤマサが新たにGMP対応の原薬製造棟を建設する話は3月くらいに化学工業日報で取り上げられていました。
ヤマサ醤油、核酸医薬受託の新工場建設、原料合成から一貫
https://newspicks.com/news/5670558/
近所なもので、地元周辺でもっと話題になってるかと思ったら誰も興味示してくれなくて寂しかったので、NewsPicksで取り上げられて何やら嬉しい笑
新棟はシュードウリジンに限らず下記のように中分子を含む核酸医薬を製造するための大規模設備です。核酸系医薬の商用化において開発力・生産能力ともに重要な役割を担ってくれそうで大いに期待しております。
・新原薬製造棟は本社敷地内の銚子工場に建設(1500m²)、22年の完成・稼働予定
・現在は1~2塩基程度の低分子が中心だが、数十個の核酸塩基からなる中分子医薬品に本格参入
・オリゴ核酸自動合成装置を設置し、アンチセンス核酸やsiRNAなどの治験薬・商用薬を受託。
・200~1000Lの合成タンクも新規導入。
・アミダイト修飾・合成から原薬開発、量産まで請け負える強みを生かす。
(あと、これで銚子の財政が少しでも良くなってくれないかなと...)