先端素材、日本が攻勢 住友鉱山はEV向け参入
日本経済新聞
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素材産業の優位性を担保することは重要ですが、最終商品やサービスが海外のものであれば、日本経済全体の長期的な優位性は保つことは出来ません。技術で勝って、ビジネスで負けることにならないようにしないと。
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住友金属鉱山がEV向けのSiC結晶生産に参入しました。ただ、SiC結晶の分野は世界的に競争が激しいので、どこが生き残るか大変です。SiCはSi(シリコン)に変わる新材料ではありません。Siよりも絶縁耐圧が高いというメリットを生かしてパワー半導体には向いていますが、それ以外の分野ではSiには勝てません。コストが10倍以上するからです。
半導体の歴史は、ひたすらコストダウンが可能な特長を生かして発展してきました。ムーアの法則は技術ではなく経済法則です。コストダウンできない技術は残念ながら敗者になります。半導体の集積度を上げれば上げるほど、性能は上がり消費電力は下がり、システムコストも下がってきたので、ムーアの法則が成り立ちました。
SiCはSiよりも物理的に固く加工しにくい上に、耐熱性がある反面、高温に上げなければ処理できないという厄介な性質を持っています。厄介な問題を克服し、誰も追随できない状況でしかもコストを低下できる技術であれば、勝ち組になれます。それには投資が欠かせません。きっりちと研究開発に投資をして、顧客も確保しておくことがまず最初にやるべきことになります。勇気ある参入に応援したいと思いますが、ここにR&D投資への政府の支援があればありがたいですね。