【小倉ヒラク】ミッションは「達成できないもの」が良い
しかし、私たちは発酵についてよく知らない。身近にあり、重要な存在ながら、微生物は目に見えないからだ。
そんな目に見えない微生物のナビゲーターとして、発酵文化を世の中に伝え続ける男がいる。発酵デザイナーを名乗る小倉ヒラク氏の半生とともに、発酵の魅力に触れていこう。
- 「世界の発酵みんな集まれ!」
- 「発酵の時代」が到来した
- 「発酵」こそクールジャパンだ
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醸す(カモス)の語源は、噛むであって昔の酒造法、口噛み酒(巫女などが米を噛んで保管して酒にする)という説と
カブであって黴る(カビル)と同源であるという説があるようです。
生命科学などという概念がない頃に、経験と言い伝えと習慣だけで微生物をコントロールして保存食を作ってきた文化と技術に想いを馳せると
それはそれはロマンがあるなと思います。
日本に温暖湿潤は微生物にとってはおそらく最高の環境です。
毎日畑にでて作業している中でも、様々なカビや菌類、あるいはさらに小さな何者かが蠢いて、動植物の死骸を侵食し、あっという間に土の中に溶け込ませてしまう様がありありと見えます。
江戸初期から愛読された「農業全書」でもさまざまな土づくりの技法が紹介されています。
一定期間悪臭を放つような「腐敗」であってもすぐに収まってやはり土に還元されていく。
都市生活ではバイキンとかばっちぃとされているものこそが私たちヒトの生命環境を守り、食を供給してくれていることの尊さはなんとも言えないものがあります。
発酵食品を作っているのは中小企業が多いとのことで、後継者問題に直面してしやすいと思います。
発酵デパートのようなコンセプトで、こういった企業をつなぎ、技術の承継が行われていくといいですね。
発酵=クールジャパンという発想はユニークですが、食への健康意識が高まる中で、日本の発酵食品のポテンシャルは大きいのかもしれません。地方ごとに特色があるので、一気に地方創生にもつながりそうです。コロナで海外にも行けないので、当面は国内のこうした伝統的な発酵食品に注目してみようと思います。
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