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9月11日にニューヨーク・タイムズなどが出した調査報道で、誤爆なのは確定していました。この内容は、米軍内部からのリーク無しではまずできないもので、米軍内部でもよほど問題視する人たちがいたのでしょう。
https://twitter.com/evanhill/status/1436422176425578496
 カブール国際空港で米軍兵士13人などが殺害されたのが8月26日、米軍の撤退完了予定が31日でした(一方、この攻撃でアフガニスタン人は170人以上殺されています)。
 米国政府としては、何としても撤退完了までに攻撃の再発を防ぎ、そしてイスラーム国集団への報復もしておかなかればならなかったでしょう。このままだと、イスラーム国が最後に米軍に勝利したような印象を与えかねません。
 米軍は功を焦ったといえるでしょう。それでも、それだけ重要な報復攻撃にもかかわらず、調査報道で明らかになったように非常に薄弱な根拠で、報復に踏み切っています。攻撃対象になった男性が車にポリタンクをいくつも積んでいて、それがガソリン爆弾に違いない、というだけの根拠でした。男性は米国のNGOで働いていて、ポリタンクはその活動のために大量の水を運んでいただけでした。
 米軍による最後の攻撃が、ドローンによる誤爆だというのも、この戦争を象徴するものでした。2001年にアフガニスタンに攻め込んだものの、最後まで目的が定まらず、米軍は過酷な山岳ゲリラ戦を嫌って、ドローン攻撃に頼るようになりました。
 ドローン爆撃による「スマートな」戦争は、特にオバマ政権で推進されて、2021年までに米軍はアフガニスタンで1万3千回以上のドローン爆撃を行いました。そのうち少なくとも8割、おそらく9割近くは、アル=カーイダでもターリバーンでもないアフガニスタン人が犠牲になったと見られています。今回は、カブールの街中だったので、すぐにバレましたが、20年間の戦争でどれだけの誤爆があったのか、が、この戦争の検証では本当は非常に重要です。

https://www.washingtonpost.com/politics/2021/09/16/murphys-misfired-claim-that-8-out-ten-us-drones-miss-their-target/
米国系NGOの現地アフガン人職員が、支援のため水のタンクを積んだトヨタのセダンを、自爆テロ車両と見誤った。米軍による地平線のかなたから(over-the-horizon)の無人機攻撃にも制約がかかるだろう。喜ぶのはIS-K、アルカイダ、そしてタリバン。
ドローン攻撃は有人航空機の攻撃よりも時間をかけて標的を狙い、巻き添え被害を少なくできる、という言説があったが、そもそもの標的選択が間違えていたらどうしようもない。インテリジェンスの基盤のない場所での遠隔攻撃の限界。
この10年間にパイロットが乗り組まない無人機が誤爆して罪のない一般市民の命を奪った例はいくつもある。またドローンが誤って重要施設に落下した例も少なくない。使う側は無人機の技術が完全なものではないことを知っているのだから、誤爆の経緯について説明する責任があるだろう。
現代の戦争の現実を突き付けられる悲劇だと思います。無人機、AIなど精度が上がっていますが、こうした誤爆はなくなりません。最後はヒューミント(ヒトを媒介とした諜報)になる訳ですが、アフガニスタンでは、アメリカの現地協力者を相次ぎ出国させていることから、こちらの精度も劣ることになるでしょう。

フィクションの世界ですが、アメリカのドラマシリーズ『HOMELAND』は、イラクで8年捕虜となっていた米軍兵が、テロリストとなって帰国する話でした。そのきっかけが、米軍兵が現地で目にしたアメリカの無人機攻撃による子供の死でした。アメリカの対テロ戦争の現実をシニカルに描いた作品で、当時のオバマ大統領も視聴していたと言われています。

「憎しみの連鎖」が広がらないか心配です。
「白のカローラセダン」という、どこにでも走っていそうな車を目印に攻撃したというのは、ちょっと耳を疑うようなずさんさです。今後、米軍がアフガニスタンのISを相手に対テロ作戦を続けるのであれば、地上のインテリジェンスが不可欠で、タリバンの手を借りずには難しいのではないでしょうか。
今回の件では空爆直後から誤爆の可能性が指摘されていました。カブール空港近くで白い煙が上がっている写真がソーシャルメディアに流れ、すぐに現場の位置情報が特定されました(ジオロケーションと呼ばれます)。それによって現地の記者、海外メディアなどの取材協力者が多く現場にかけつけて写真を撮ったり、遺族に話を聞くことができました。仮にソーシャルメディアがなければ、米軍は誤爆を認めなかった可能性もあり、認めたにしても非常に長い時間がかかったでしょう。
さらにニューヨークタイムズとワシントンポストが注力する「ビジュアルフォレンジック」調査報道の影響も非常に大きかったと指摘できます。「テロリスト」と間違われた男性の事件前の行動などを捉えた監視カメラの動画を入手・公開し、関係者への取材を通じて「爆発物を積んだ車を空爆した」という権力側のナラティブを否定したのです。事件の全容のみならず調査の過程も明らかにした透明性が記事の信用性を高め、米軍側が誤爆を認めざるを得ない状況に追い込まれたのです。
こうした行為が、アフガニスタンにおける反米感情とタリバンの拡大を助長して来た。実際、今のタリバンのメンバーには、米軍の誤爆により家族を失った者も多い。
非を認めて謝罪する姿勢は、評価すべきかもしれません。
(もちろん、殺害は容認できませんが)

大臣をはじめとする日本の行政の長たちは、「遺憾だ」と言うばかりで滅多に謝罪をしません。

いやしくも不祥事を起こした組織のボスであれば謝罪すべきだ、と思うことが頻繁にあります。