新卒給与、アメリカで史上最高水準へ。コロナ禍でも理系新卒給与900万円以上も
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日本の賃金は「名目での比較では、2020年の新卒給与は90年に比べ33%増、2000年に比べ14%増」、一方、「1990年の米国の新卒年収は2万7526ドル」、「(2020年の)新卒年収の全体平均は5万5260ドル」ということなら、2020年と1990年を比べると、日本は100×1.33=1.14倍で、米国は55260÷27526=2倍です。これだけ見ると、日本の賃上げ幅が余りにも小さく見えますが・・・
1990年を100として2020年の彼我の名目GDPを比べると、日本が118で1.18倍に止まるのに対し、米国は314で実に3.1倍に達しています。GDPの増加と比べると、日本の方が賃金は上がっていると言って良いほどです。それにも拘わらず、実感として賃金が下がり、米国と比べ相対的に貧しくなっているのは誰しも認めるところでしょう。
1990年を基準に他国の2020年の名目GDPを見ると、中国の53倍、韓国の10倍は別格として、イギリスが2.9倍、ドイツが2.4倍です。先進諸国の名目GDPの伸びに対し、日本のそれが余りにも小さすぎるのです。
政府が借金して財政支出をしないから、という声が聞こえそうですが、IMFの統計によれば、1990年の政府の借金の対GDPは、日本が0.63、米国(データなし)、イギリス0.29、ドイツ(データなし)であるのに対し、2020年のそれは日本2.56、米国1.27、イギリス1.04、ドイツ0.69で、政府の借金の増加も日本が突出しています。
日本が相対的に貧しくなっているのは財政支出の不足でなく、日本の潜在成長率が急速に低下したからで、その背景にあるのは日本のビジネス環境の劣化です、たぶん。そこにメスを入れない限り、悲しいけれど、国民が経済的に豊かになることは未来永劫無いんじゃないのかな (・・;
注目のコメント
若者はどんどん海外に行けばいいのです。
そうすれば日本企業も焦ります。そのためにはまずは英語。
私も一応海外駐在してましたが、私の英語力で外国企業に入ったらろくな給料はもらえないなあ…と思ってました。
残念ですが日本でしか働けない人の給料はもう上がりません。英語ができれば多少アホでも日本で働く以上の給料がもらえます。
日本人の英語力はアジア人でも最低レベル。ベトナムにも負けています。
「英語の前に美しい日本語」とか言っている場合ではありません。この状況を受けて、日本の学生・若者はどのようにキャリアを選ぶべきでしょうか。単純に「チャンスが多いアメリカに行くべきだ」というのは、多くの人にとって正しい選択にはならないかもしれません。
アメリカの良い大学を卒業していれば、この記事に出てくるような良い給料の仕事につくことは比較的難しいことではないと思います。ただし、「就職」をクリアした後には「出世」の壁があります。英語ネイティブでない日本人にとって、日本企業と米国企業でどちらが出世する可能性が高いでしょうか。
こちらで良く話題になるのは、(リベラルな会社が多い)テック企業においても、エントリーレベルではアジア人がマジョリティを占めるにも関わらず、エグゼクティブのレベルでは白人に逆転される*という現実です。そうした中でも、インド・中国系は強いネットワークがありますが、日本人は数が少ないのでコミュニティも弱いです。
市場のパイの大きさや給料のアップサイドで考えれば、日本よりもアメリカが魅力的なのは間違いないですが、日本で頑張って出世出来れば、アメリカの平均で終わるよりも、生涯年収は高くなるかもしれません。日本経済は停滞していると言っても、まだ世界第3位の規模であり、平均が下がっていく中でも、個人レベルでは経済的に大きく成功する人は今後も出てくるはずです。
(というのが実は、マクロレベルで見ると、日本人がグローバルで成功するのを妨げる根本原因だったりしますが。。インド人にとっては、圧倒的にアメリカに行く方が期待リターンが高いので、こぞってアメリカに来る)
もしかすると、日本人にとって最も美味しいかもしれないキャリアは、「中堅またはニッチだけど海外売上高比率が高い、日系メーカーにおける長期海外駐在」かもしれません。ベースは日本にありつつ、世界経済成長の果実を享受出来る組織に所属し、社内の英語人材の競争も少なく、ネイティブレベルの英語は要らず、駐在員のプレミアムがもらえる、という組み合わせは羨ましい。
* 参考
THE ILLUSION OF ASIAN SUCCESS
http://aapidata.com/wp-content/uploads/2017/10/TheIllusionofAsianSuccess.pdf変わらないことが普通である日本。
一方、米国は変わることが当たり前。この30年でも飛躍的に変化しました。
前例踏襲ではなく、新しいチャレンジのために柔軟に変わり、成長し続けた米国と日本の差は大きい。
給与水準の話もその一例ですね。