[ロンドン 17日 ロイター] - 英国立統計局(ONS)が17日発表した8月の小売売上高は、前月比で0.9%減少し、予想の0.5%増を下回った。

過去のデータが下方修正されたため、前月比で減少するのは4カ月連続で、1996年の集計開始以来、最長となった。

英小売売上高は、新型コロナウイルスの感染拡大を予防するための制限措置が小売店について解除された直後の4月にピークを付けたが、その後はマイナスが続いている。

ただ、新型コロナの感染拡大が始まる前の2020年2月と比べると、依然として4.6%上回っている。

統計局は8月の減少の原因について、行動制限の緩和を受けて外食する人が増え、スーパーの売り上げが減ったためとしている。

また、小売店はサプライチェーンの目詰まりも報告しており、売上高を押し下げた可能性がある。

前年比は横ばいで、予想の2.7%増を下回った。

パンセオン・マクロエコノミクスのサミュエル・トゥームズ氏は「消費支出の回復が第3・四半期に失速したことを裏付けている。(英中銀)金融政策委員会が早ければ来年2月にも利上げできるような状況なのか、市場では懐疑的な見方が広がるだろう」と述べた。

大半のエコノミストは、英中銀の引き締め開始を来年終盤以降と予想しているが、市場は2月の利上げ確率を約60%織り込んでいる。