[16日 ロイター] - スポーツ仲裁裁判所(CAS)は16日、反ドーピング規則違反で米国反ドーピング機関(USADA)が陸上長距離コーチのアルベルト・サラザール氏(63、米国)に科した4年間の資格停止処分を支持する判決を下した。

サラザール氏は長距離選手育成を主目的とした「ナイキ・オレゴンプロジェクト」のヘッドコーチとしてドーピングを「指揮、助長した」とされ、2019年にUSADAから処分を受けていた。

CASはまた、サラザール氏と活動していたジェフリー・ブラウン医師に対する4年間の資格停止処分も支持。両者はテストステロン所持・売買など複数の違反行為への関与で罪が認められた。その一方で、競技に直接影響を与えた証拠はなかったとした。

サラザール氏は12年ロンドン、16年リオデジャネイロ両五輪の男子5000メートルと1万メートルで金メダルを獲得したモハメド・ファラー(英国)ら多くの五輪選手を指導したことでも知られる。

なお、ファラーはドーピング検査で陽性を示したことはなく、不正行為で告発されたこともない。サラザール氏とは17年にコーチング関係を解消しているが、当時ファラーはドーピング調査がその理由ではないと話していた。