2021/9/20

インスタグラムは10代少女に有害=内部資料

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親会社フェイスブックは知っていた 非公表の自社調査で精神衛生に深刻な悪影響と認識
アナスタシア・ブラソバさんは、1年ほど前からセラピストによる治療を受け始めた。
彼女は摂食障害に陥っていて、その明確な原因を知っていた。それは、写真・動画共有アプリのインスタグラムに費やす時間だった。
彼女は13歳の時にインスタグラムの利用を始め、最終的には1日3時間、インスタグラム上の写真に魅了されるようになった。彼女が見ていたのは、フィットネスのインフルエンサーの完璧に思えるライフスタイルや体形だった。
バージニア州レストン在住で現在18歳のブラソバさんは「インスタグラム上で私が目にしたのは、引き締まった体、完璧な腹筋、100回のバーピー(5つのステップからなる全身運動)を10分でこなす女性たちばかりだった。
ブラソバさんは自身の摂食障害の原因がインスタグラムだと話す(写真:HANNAH YOON FOR THE WALL STREET JOURNAL)
その頃、フェイスブック傘下のインスタグラムでは、内部の調査担当者たちがこの種の経験談について調べており、こうしたことがもっと広い範囲で起きている現象なのかどうかを見極めようとしていた。
その結果、一部で深刻な問題が起きていることが確認された。
調査担当者は、2020年3月にフェイスブックの内部メッセージボードに掲示したプレゼン用スライドの中で「10代の少女の32%は、自分の体形に不満を感じている時にインスタグラムを見ると、さらに自己嫌悪感が強まると語っている」と説明していた。
「インスタグラム上で見比べることで、若い女性の自分自身への見方や評価が変わる可能性がある」というのだ。ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)はこのスライドを確認した。
フェイスブックはこれまで3年にわたって、インスタグラムが何百万人もの若いユーザーにどんな影響を与えるか調査してきた。
同社の調査担当者たちは再三にわたり、インスタグラムが若いユーザーのかなりの割合に悪影響を与えていることを確認してきた。その中で最も影響が大きかったのが10代の少女たちだった。