[16日 ロイター] - 米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長は、FRB当局者の金融資産の保有と取引に関する倫理規定を抜本的に見直すよう指示した。FRB報道官が16日、明らかにした。

FRB傘下の12地区連銀のうち、2地区連銀の総裁が積極的な投資を行っていたことがこのほど判明。報道官によると、パウエル議長は先週末に倫理規定の見直しを指示した。

地区連銀総裁による積極的な投資は、当初米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)が報道。エリザベス・ウォーレン上院議員(民主党)を含む有力議員が、一段の厳格な規制の導入を呼び掛けている。

報道官は「FRBが重大な責務を効果的に遂行するために国民の信頼が必要不可欠であるため、パウエル議長は先週末、FRB当局者による金融資産の保有と取引を巡る倫理規定の包括的な見直しを指示した」と述べた。

報道官によると、FRB当局者には他の政府機関当局者と同様の規定を適用。これに加え、議会やその他の機関よりも厳しい追加規定が適用されている。

ウォーレン議員は、倫理規定の見直しは早い段階で実施するべきだったとツイッターに投稿。地区連銀総裁に対し、自ら厳しく律するよう呼び掛けた。

先週の報道を受け、ダラス地区連銀のカプラン総裁とボストン地区連銀のローゼングレン総裁は、保有する株式個別銘柄を9月30日までに売却すると表明。両総裁の投資は、FRBの倫理委員が規定を順守していると判断している。

FRB当局者が大量のポートフォリオを保有するのは珍しいことではない。ゴールドマン・サックス出身のカプラン氏は2015年のダラス地区連銀総裁就任以降、活発な投資活動を行っているほか、最新の倫理報告によると、カーライル・グループに勤務した経験のあるパウエル議長の総資産は1700万ドルを超えている。

一方、セントルイス地区連銀のブラード総裁は倫理報告を手書きで済ませられるほど保有資産が少ないほか、イエレン前FRB議長が開示した資産の大部分は収集した切手の価値だった。