[15日 ロイター] - 米メキシコ湾岸の石油各社は、ハリケーン「ニコラス」通過に伴い、電力とパイプラインの早期再開を果たしている。これにより、数週間前に発生したハリケーン「アイダ」からの復旧が進むとみられる。

ニコラスは14日、熱帯暴風雨に勢力を弱めたものの、テキサス州とルイジアナ州に大雨と浸水、停電をもたらした。

石油パイプライン運営会社コロニアル・パイプラインは、ガソリンとディーゼルの輸送を15日に再開した。米石油大手エクソンモービルが運営するテキサス州のパイプラインも同日中に再稼働する見通し。

沿岸警備隊は15日、テキサス州の各港が再開したと発表した。

インフラストラクチャー・キャピタル・アドバイザーズのアナリストは、ニコラス通過による今回の復旧は早いとしながらも、ガソリンや他の精製品の在庫は5年ぶりの低水準にあり、市場は非常に逼迫していると述べた。

当局によると、15日時点でメキシコ湾の原油は約30%、天然ガスは約39%の生産が停止。従業員が避難したままのプラットフォームは36カ所に上り、復旧の遅れが指摘されている。

CHSヘッジングのアナリストは「通過したばかりの熱帯暴風雨が、アイダに伴う復旧を遅らせた」と強調。「今後もアイダの影響を目の当たりにするだろう」と話した。