貿易収支、8月は6354億円の赤字 輸入増で予想以上の赤字幅
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日本は原油も天然ガスも鉄鉱石も肥料も飼料も輸入に頼っています。自給率が100%に近いとされるコメだって、石油と肥料が手に入らなければ日本で作ることが出来ません。売れば直ぐカネになる天然資源に乏しい日本は、輸入と輸出のバランスを取りながら貿易を増やし、その間で生まれる付加価値で成長せざるを得ない宿命を負っています。そうした状況下、輸入が大きく増えた半面輸出が伸びず、貿易赤字が膨らむのは少し気になる動きです。しかも、数量ベースで23%増の鉱物性燃料(原油、天然ガス等)の輸入が金額ベースで115.6%増え、鉄鉱石も数量ベースで37%増なのに金額ベースで178%増えるなど、価格の上昇が気になります。
日銀によれば、8月は輸入物価が前年同月比29.2%上昇したのに対し、輸出物価は11%しか上がらず、交易条件が大きく悪化しています。こうしたことが続くと資源を輸入に頼る日本の成長力が削がれ、国民の生活がますます貧しくなることもあり得ます。コロナ禍の混乱の中、単月の赤字で一喜一憂する必要はないですが、目が離せない変化が起きている可能性はありそうです。暫くは、動きをしっかり見なくっちゃ (・・;ウーン季節調整済み前月比でも輸出が+0.8%の増加に対して輸入は+4.6%の増加で貿易赤字幅も40倍以上に拡大しています。
内需拡大に伴う良い貿易赤字ではなく、穀物、エネルギー、ワクチンいずれも海外頼みに伴うものですから、日本は悪い貿易赤字といえるでしょう。円安誘導も、工場の稼働などを考えれば仕方ない面はあったのかもしれませんが、コロナ前は、日本全体に人手不足の影がちらついていました。コロナによる経済の落ち込みが緩和されれば、そろそろ強い貿易財の必要性がより顕著に表れるでしょう。その貿易財は、円高でもあっても利益がでる、世界中が欲しがる付加価値の高いものでなければいけません。その一角を、医薬品やバイオが担うことが疑いようがありません。
何度も書いていますが、日本の新薬創出数のランキングは、アメリカ、スイスに続いて3位です。
(図3 医薬品創出企業の国籍別医薬品数を参照)
https://www.jpma.or.jp/opir/news/061/08.html
特に、化学合成品について、アメリカに次ぐ2位です。(上記リンクの図5 医薬品創出企業の国籍別医薬品数を参照)
これは、既に大きな実績であり、さらに伸びていくと思われます。この分野の投資が望まれますし、投資家や新規参入をお考えの方には、十分にリターンが期待できる分野だということを知っていただきたいです。
コロナ対策のワクチンでは、遅れを取りましたが、それは、国内のこれまでのワクチンの副作用恐怖、忌避のためです。治療薬(低分子薬)については、塩野義がよいポジションにいると思います。
https://mainichi.jp/articles/20210805/k00/00m/020/431000c
ニュースでは、日本の低分子薬の強さが報道されにくいですが、華々しさに若干かけると思われているのでしょう。しかし、私は、こちらに投資した方が、リターンが返ってくる確実性が高いと思います。