(15日配信の以下の記事で、本文3段落目の「1990年代後半から20年間続いた」を「1998年から2013年まで続いた」に訂正しました)

[東京 15日 ロイター] - 日銀の黒田東彦総裁は15日、新型コロナウイルスの感染拡大によるサプライチェーン(供給網)の寸断や工場の操業停止による生産への影響が懸念されるものの、企業業績が堅調に推移していることが設備投資を後押しするとの見解を示した。オンラインで開催されたセミナーで述べた。

同総裁は「日本経済はワクチン接種の一段の進展により新型コロナウイルスの影響が薄れ、回復する」との見通しを示した上で、消費が回復するに連れて景気の好循環が強まるとした。

また、日本のインフレ圧力は欧米に比べ弱いものの、企業は需要を喚起するために、1998年から2013年まで続いた(訂正)デフレ時のような広範囲に及ぶ値下げを行っていないと指摘。それでも、2023年の消費者物価指数は日銀が目標とする2%を大きく下回り、「1%か、1%をわずかに上回る程度」とした。一方、「2023年までには到達しないが、インフレ率は着実に上昇し、最終的には目標の2%に達すると予想している」とも述べた。

さらに「必要であれば金融政策をさらに緩和する」とした。

気候変動問題を巡る日銀としての新たなスキームについては、金融機関の資産配分への直接的な介入は回避しつつも、その投資が気候変動への影響軽減につながることを確実にするため「何らかの規律」を課したいと述べた。

グリーンボンド(環境債)を巡っては、日銀が社債購入プログラムを継続する中で、購入対象に含まれることは自然だとしながらも、特に配分を決めて優先して購入することはないと述べた。