2021/9/29
一流アスリートも実践。 “空気”でカラダを細胞から鍛える方法
ハイアルチ | NewsPicks Brand Design
陸上やトライアスロンなどのトップアスリートが実践してきた「高地トレーニング」が、ここ数年さまざまな分野から注目を集めている。高地トレーニングとは、高地という“低圧低酸素下”で行うトレーニングのこと。
そのような高地環境をスタジオ内に再現し、低酸素状態を作って、その中でトレーニングを行う「低酸素トレーニング」が、トップアスリートから運動初心者やシニア層まで、幅広い層に支持されている。
この低酸素トレーニングに早くから着目してきたリーディングカンパニーが「ハイアルチ」だ。コロナ禍でも急成長を遂げている理由や高地トレーニングジムの利点などを、代表取締役CEO坪井玲奈氏に聞いた。
そのような高地環境をスタジオ内に再現し、低酸素状態を作って、その中でトレーニングを行う「低酸素トレーニング」が、トップアスリートから運動初心者やシニア層まで、幅広い層に支持されている。
この低酸素トレーニングに早くから着目してきたリーディングカンパニーが「ハイアルチ」だ。コロナ禍でも急成長を遂げている理由や高地トレーニングジムの利点などを、代表取締役CEO坪井玲奈氏に聞いた。
忙しいビジネスパーソンこそ低酸素が有効
私が高地トレーニングに興味を持ったのは、その「効率性」でした。
酸素の薄い低酸素環境で運動することによって体に強い負荷がかかり、短時間で効率よく運動ができる──。
ビジネスシーンにおいて見た目の第一印象は重要で、忙しい人ほど鍛えている印象がありますが、日々の忙しさの中で1〜2時間運動の時間を確保するのはかなり難しい。
ところが高地トレーニングなら、30分でも十分効果を実感できる。また赤血球の増加作用はトレーニング後2、3日目でピークを迎え、4日程度はその効果が続くため、週1〜2回トレーニングを行えばいいのも効率的です。
トレーニングというのは基本的にメカニカルなアプローチが多いのですが、高地トレーニングは科学的アプローチで体の中の反応を引き起こし、鍛えるトレーニング方法。つまり「細胞から鍛える」わけです。
その中でも我々は3つの反応に注目をしています。
1つ目は持久力の向上です。標高2000m以上の酸素が少ない環境下でトレーニングを行うと、造血因子であるエリスロポエチンが作られ、赤血球が増加することにより、持久力の強化を期待できます。
2つ目はミトコンドリアを活性化させる効果です。ミトコンドリアは糖や脂肪をエネルギー源にしてエネルギー(熱)を生成するため、活性化すると冷え性の改善やダイエットにもつながります。
また、体には細胞内を浄化し、リサイクルするオートファジーと呼ばれるシステムがありますが、実はミトコンドリアも同じように古い細胞を分解して、新しい細胞を作るシステムを持っています。
低酸素環境下では劣化したミトコンドリアを処理・再生するだけでなく、良質な状態を保つよう働きかけるため、アンチエイジングにもつながります。弊社ではミトコンドリアによるこれらの効果を「ミトファジー®」と呼んでいます。
3つ目は筋力の増加です。加圧トレーニングは筋肉への酸素の供給量を減らすことで、筋肉に強い負荷をかけ、効率的に筋力をアップします。高地トレーニングはそもそも酸素が少ない環境なので、加圧トレーニングと同じような効果が得られるのです。
「高地トレーニング=英会話スクール」の時代に
高地トレーニング自体は、こと陸上業界では、すでに確立された、実績のあるトレーニング方法です。
ただし昔は高地トレーニングを行いたければ、遠征する必要があり、海外遠征となると何百万円もの高額な費用がかかりました。そのため、アスリートの中でもごく限られた人しかできなかったトレーニング手法だったのです。
そんな中、海外では低酸素ルームを導入しているという話を聞き、すぐに私の頭の中には駅前にある「英会話スクール」が思い浮かびました。
昔は英語を学ぶには留学をするのが一般的でしたが、英会話教室に行けば、外国人講師がいて、海外と同じような語学環境に身を置くことができる。それと同じように、高地トレーニングも実現できるのではないかと思い、とてもワクワクしました。
そして、実際に低酸素ルームを体験してみると、これはトップアスリートだけでなく、一般の人にも広く良さを知ってもらえると確信。
こんなに素晴らしいトレーニング方法を、トップアスリートだけしかできないのはもったいない、むしろ私のような一般の人にこそ高地トレーニングの魅力を伝えたい──そう強く思い、やってみよう!と決意しました。
しかも、ハイアルチでは、スタジオ内の酸素濃度だけを変え、気圧は変わらないため、高山病のリスクを避け、安全性も高く、初心者でも安心してトレーニングしてもらえます。
実際に、ハイアルチの会員は、8割以上が運動経験の少ない方です。30分歩くだけで効果を実感していただけるので、出社前やランチタイムなどのスキマ時間にいらっしゃる方も多いです。
もちろん、弊社の会員はプロアスリートの方や、マラソンなどの持久系スポーツをされている方もいますが、大多数がライトなエントリー層。高地トレーニングの良さが広まってきていることを実感しています。
バイタルデータを「見える化」するハイアルチの独自システム
ここ数年、その有効性から低酸素ジムが増えてきました。その中で弊社が支持されている理由のひとつが「リアルタイムモニタリング」です。
高地トレーニングでは空気が薄いため、通常と同じ負荷のトレーニングはできません。普段の7割の負荷がいいのか、8割の負荷がいいのか──。
低酸素への順応性には個人差があるだけでなく、前日に飲酒をしたり、睡眠不足だったりしても、数値は大きく変わってきます。
その日、その人に適した負荷の判断材料となるのは、センサーから得られるバイタルデータです。
例えば、コロナ禍で注目されましたので、SpO2をご存じの方も多いでしょう。安静時のSpO2は96~99%が一般的ですが、トレーニング効果を得るなら85~95%ほどの負荷がいいと言われています。
ハイアルチでは、このようなバイタルデータを運動中リアルタイムで表示することで、お客様の体の変化を「見える化」しています。
例えば、常酸素下から低酸素ルームに入っただけでSpO2の数値がグッと下がるのも見ることができます。負荷や時間の経過とともに自分の数値が変わっていくことが見えると、モチベーションがアップするのです。
SpO2(経皮的動脈血酸素飽和度)とは、赤血球内のヘモグロビンと結合した酸素量の割合のことで、血液中に含まれる酸素濃度を示す。パルスオキシメーターという機器を使い、皮膚を通して光の吸収度で測定する。ハイアルチの運動では、SpO2を計測しながら、一人ひとりに合わせて運動負荷を調整することで、ハードな運動をせずとも高い効果を実現
加えて、トレーナーもバイタルデータを見ながら適正な負荷をかけるサポートを行いますので、初心者でも安心なのがリアルタイムモニタリングの利点です。
もうひとつの「見える化」は「ハイアルチスコア」という弊社独自の30段階のレベル設定です。最初は皆さんレベル1からスタートするのですが、きちんと通えば確実にレベルアップできるので、これをモチベーションにしている会員の方も多いですね。
弊社ではこれらのデータを専用アプリで確認できるシステムも導入しています。トレーニング中にチェックするだけでなく、自宅に帰ってからじっくり今日の成果を分析することもできると好評です。
いくら良いトレーニング方法でも、達成感や実感がなければ、継続する意欲は湧かないものです。カラダの変化だけでなく、トレーニング中の自分の体の状況や、トレーニングレベルまでも“見える化”することで、我々はお客様のモチベーションまでサポートしています。
「環境型ジム」のビジネス的利点とは
高地トレーニングジムは、このコロナ禍であっても「環境型」という点でビジネスモデルとしても優れていると思っています。
環境型ジムは、「低酸素/高地環境」のように、特定の環境がないとトレーニングできないという意味で、まさにコロナ禍で自宅フィットネスも増加する今だからこそ、実店舗の価値が高いビジネスモデルと考えています。
コロナ後も、自宅フィットネスは一定数残ると考えた際に、実店舗で行うべき明確な理由がある「環境型ジム」こそ、フィットネス領域のメインストリームになっていくと私は考えています。
ハイアルチはフランチャイズ展開をしていますが、会員の方の中にも高地トレーニングでパフォーマンスアップしたからと、オーナーを希望される方がいらっしゃいます。
ジムの初期投資は5〜7年で回収するのが業界では一般的ですが、スピードアップした今の世の中、5年先を見通すことは難しい。
そこでハイアルチでは3年未満での投資回収を目標に掲げています。なるべく早く回収して、世の中が移り変わったとしても、それに合わせて業態を変化させられる、効率よく収益性の高いビジネスモデルを構築しています。
当たり前の「空気」に新しい価値を
ハイアルチはフィットネスを超えて、高地空間をプロデュースすることをミッションに掲げています。なぜなら、今後は「空気の価値化」が進むと考えているからです。
昔は水道水を飲んでいたのが、ミネラルウォーターを買うのが当たり前になったように、無料だと思われていた“空気”も新しい価値を創生できるのではないでしょうか。
コロナ禍を経て、安心・安全・健康への意識がより一層高まる中、ハイアルチは「健康に良い空気」を提供し続けたいと思っています。
すでに、福島県須賀川市の池田記念病院が「疾病予防運動施設」としてハイアルチのシステムを導入しており、未病対策の分野で活用されています。
2021年4月には空調大手のダイキン工業、そして医薬流通大手のアインホールディングスとの資本業務提携を行っています。
今後はフィットネス領域を超えて、介護・医療施設などのヘルスケア領域から企業の健康経営まで高地トレーニングを広げていきたいと思っています。
執筆:林田順子
撮影:大橋友樹
デザイン:seisakujo
編集:奈良岡崇子
撮影:大橋友樹
デザイン:seisakujo
編集:奈良岡崇子
ハイアルチ | NewsPicks Brand Design
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