英 来週からワクチンの3回目接種開始へ 50歳以上の人など対象
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論文として報告されている限りでは、ファイザーの3回目接種による感染予防効果改善を示唆したデータを除き、一般への3回目接種の科学的根拠は十分確立していません。重症化予防効果は2回接種でも高く維持されているため、効果の上増しはあまり期待できません。
常に医療行為はメリットとデメリットのバランスの中で判断されなければなりません。副反応が全くないわけではないのですから、あくまで科学的な評価のもと、メリットがデメリットを上回ると判断されなければ、ワクチンは接種されるべきではありません。
その推奨のためには今のところ十分な科学的根拠を欠いている状態であり、根拠があるのであれば、推奨開始前に、公開されるべきだと思います。そうでなければ政治的なワクチン接種とも捉えられかねません。ワクチン戦略の推進はボリス政権最大の政治的功績です。
他方、北アと本土間の物流は食品を中心に議定書で定められた取り決めが、英側の一方的な理由で延期され続けています。明確な国際法違反を英国は繰り返しています(EUはしかたなく黙認してますが)。
とにかくワクチン戦略を進める背景には、それ以外の困難から有権者の目を逸らすという思惑もあると考えられます。会見の動画はこちら。
https://youtu.be/vWAF2XqXrmA
会見を動画で見るのをお勧めするのは、単に内容のハイライトを要約した速報だけだと会見のニュアンスやトーンが伝わらないからです。
質疑の中で記者から冬を前にして今からマイルドな対策をとらない理由を問われてChief Medical OfficerのChris Whittyが現実には多くの市民がマスク着用など様々な対策を行っているんだと答える一幕があります。ジョンソン首相もマスク着用やテスト、体調不調時の自宅待機など市民が自らの責任として行うべき様々な対策を繰り返し呼びかけています。
ワクチンについては確かにブースター接種が重要な話題でしたが、「500万人」という具体的な数字を挙げて未接種者へのワクチン接種を繰り返し呼びかけていた点も印象に残りました。
以前にも書きましたが、英国等で「マスク着用義務」というのは本物の警官がマスク検査に巡回していて未着用だと良くて注意悪くて罰金というレベルの話です。今回の発表もワクチン一本足打法ではなく、ワクチンの接種強化に加えて市民の自主的な感染防止行動でこの冬を乗り切ろうというのが「プランA」。他方で入院患者数を主要なKPIとして挙げ、それが危険な水準まで上昇した時のためにワクチンパスポートやマスク義務化も「プランB」として保留するというのが主な内容です。