「脱ステロイド」を好意的に紹介した「ザ!世界仰天ニュース」番組内で謝罪 具体的な検証内容や再発防止策は示されず
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今回の事案に多くの医師が反応したのは、それが「標準治療」という専門家のコンセンサスに逆行する内容だったからです。
もちろん個々の医療に当てはめれば、「例外」は多数存在します。
疾患や状態、元のステロイドの使い方によっては、「脱ステロイド」する事により状態が改善する事があるかもしれません。
しかしこれらは「例外」ないし、「元が標準治療から外れた治療であった場合」など特殊な場合に限られます。
多くの疾患において、標準療法とされる、これまでの臨床試験などのデータから導き出された「専門家の共通認識・コンセンサスが得られている」治療を行うことが疾患の治療・コントロールには重要であり、一部の例外をもって一般化する事はありません。
この番組で紹介された「脱ステロイド」は、標準療法とは全く逆を行くものですし、一般化して放送する事には問題があります。
また監修医師が標準療法を否定する医師であった事も、「論文・学会などで得られているコンセンサスと逆のことを宣伝する」という材料に使われた経緯があり、問題となりました。
再発防止策として
「私としては、今後の再発防止に向けてしっかり対応してほしいです。今回は監修が1人しか入っておらず、その医師が標準治療を否定する立場であったことが問題だったと思います」
「複数の専門家が監修に入ること。放送前にガイドラインは確認すること。同様の内容でこれまで健康被害がなかったかどうかは、最低限確認していただきたいです」
という記載がありますが、非常に重要な事です。
大塚医師が指摘されておられますが、アトピー性皮膚炎は適切なつ量が行わなければ、場合によっては視力を失うなど重篤な合併症を起こすことがあります。
この監修医師については、以前に幼児への脱ステロイド療法で全身状態を悪化させ、訴訟問題にもなっています。
この様な背景を最低限調べ、監修医師を選ぶことは報道としての責任だと考えます。
そしてその手段として、今のコンセンサスであるガイドラインや標準療法を知るのは重要な事であり、特にそこに逆行する内容を放送するのは問題があるのではないでしょうか。