公開価格の値決め見直しへ 日証協、年内に結論
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↓の仮条件の上限突破はこれはこれで良いのですが、ちゃんと高い価格での需要を出した投資家に優先的に配分される方式でないとワークしないと思います。今の仕組みは投資家は高い価格で需要を報告するインセンティブがありません(むしろ仕入れ値である公開価格は低い価格したい)。
> 「現在は規則などの制約はないものの、仮条件の範囲外で公開価格を設定することはない。投資家の需要が強ければ仮条件の上限に公開価格が決まるため、事実上の「天井」のような効果が出ている。WGで需要にあわせて仮条件の範囲を変更できるように実務を見直せるか議論する。」
注目のコメント
記事に「現在は規則などの制約はないものの」とありますが、アンダーライターの実務経験者からすると、仮条件設定後にレンジを変更すると、効力発生に影響が出るため、結果としてオファリンング期間が延び、実務上多くの障害が発生します。そのため各種法規制の変更含めて実務での対応が必要です。また、仮条件上限に関しては、仮条件そのものの考え方、ブックビルディングの結果仮条件上限に決まらない場合のディールモメンタム、価格算定能力が高いとする機関投資家が目論見書記載株価以上をフェアバリューと考えて主幹事証券のプレヒアリングに回答するインセンティブなど様々な観点での検討が必要です。
IPOの利害関係者である上場予定会社、VCなどの既存株主、主幹事証券、新たな株主となる投資家が建設的な議論を行えると良いかと思います。
また、上場予定会社はIPOが上場会社としてのスタートであり、新たな投資家との継続した対話のスタートであることを意識してフェアバリューを追求していくことが重要です。スタートアップ企業がIPOをする際の公開価格の値付けについては、証券会社の利益相反懸念やマザーズ市場の特性、スモールIPOならではの課題等、様々な議論があると承知しています。
ただ、この問題にスポットライトがあたることにより、これまで議論がないままに慣行的に行われてきたプロセスを見直し、より資本市場にとって、また、その利用者にとって良いプロセスが構築される契機になれば良いと考えています。