2021/9/14

1週間休暇に会議禁止デー…過熱する「社員の燃え尽き防止作戦」

INDEX
  • 「ストレスの連鎖」が社員を蝕む
  • 各社がこぞって「息抜き」を提供
  • 「1週間休み」はネオスタンダード
  • 休んでも「休めない」人たち
  • 「一時しのぎ」で終わるおそれも
  • 「学費負担」などのインセンティブも
  • メンタルヘルスは「生き残り条件」

「ストレスの連鎖」が社員を蝕む

エイミー・ミシェル・スミス(32)は、広告業界での仕事にやりがいを感じていた。
しかし、パンデミック下でトロントにあるワンベッドルームのアパートからのリモートワークが何カ月も続き、さらに1年を超えようとするころ、プライベートと仕事の境界があやふやになってきて、疲れ切っている自分に気づいた。
直属の上司もストレスがたまっているようだし、そのまた上司もそうらしい。同じようにイライラしているクライアントを喜ばせようとしているため、つまりはクライアントの気まぐれにつきあっているためだろう。
スミスはこれを、「トリクルダウン・ストレス」と呼ぶ。
上から絶え間なく降ってくる指示に、彼女は疲弊した。そしてそんな自分に罪の意識を感じた。
(Jamie Grill/Getty Images)
同じように酷使されていた同僚たちの多くが辞めていくなか、スミスも先月に退職。3週間の休暇を経て、Eコマースの会社に入社した。その会社を選ぶ決め手となったのは、従業員のメンタルヘルスに力を入れていることだった。