日本の企業年金、米ヘッジファンドにシードマネー-中大型株運用
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個人的には日系の新興運用会社(Emerging Manager)への委任ではないのが少し残念ではありますが、国際金融都市構想の実現に向けた大きな一歩であると感じます。
国際金融都市構想の実現を阻むボトルネックとしては、税率や海外人材向けの査証発行等の問題が取りざたされることが多いですが、以前から繰り返し申し上げている通り、海外・新興運用会社の事業立上げをお手伝いしている現場で感じる真のボトルネックは、事業機会、つまり日本の機関投資家からの受任機会が乏しい等が主因であり、それが解消されれば、新興運用会社の立上げや海外金融機関の日本進出は大きく進展すると考えています。
興味深いことに、日本の年金基金等の機関投資家にヒアリングすると、皆さま口をそろえて「新興運用会社等への資金運用委任を行うことは全体としてリスク調整後リターンの改善が期待される」と総論賛成のコメントをされるのですが、具体的なアクションにつながらない状況が事実として存在します。
今回は企業年金基金の名前が非開示ではありますが、日本の機関投資家が海外・新興運用会社に具体的に資金運用を委任するアクションが生まれることで、業界の流れとして続くことが期待されます。日本の企業年金のような保守的な投資家にとってほとんど実績がない新興運用会社のファンドに投資するハードルが高いことは理解できますが、一方で実績があるファンドにはわざわざ手間をかけて日本の新規投資家を開拓する必要がありません。今回のように、実績のある運用会社の新規ファンドや、既存の運用会社からスピンアウトした会社のファンドというのは日本の投資家にとってねらい目だと思います。
日本株は欧米に比較すると非効率性も残っているので、十分アルファ獲得の機会がありますね。