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その分野の専門家でないと専門誌の論文の添削を含む執筆支援を効果的に行うことは難しい。なので分野がマッチしている大学教員に頼めるのであればそれはそれで良いと思うが、研究、教育、研究室運営、学内運営に忙しい教員が果たしてやるかな?という疑問が残る。むしろポスドクなどの若手の博士号保持者で余力のある人がこのサービスを利用して自分のスキルをマネタイズしているのではないだろうか。ただ、審査・受理前の論文にはコンフィデンシャルな部分があるため、匿名の研究者に渡すことは記事にあるようなリスクがあるのも否めない。プロの研究者でやる人がいるとはなかなか考えにくいけど、一歩踏み込むと捏造?偽装?リスクもあり得ますね。

ちなみに、学術論文の英語添削サービスを使用したことがあるが、結局元の原稿の方がましだったので元に戻した経験がある。最近はジャーナルの校正サービスを受けられる場合があるので、それをそのまま利用する方が効率的だと思う。ただ、このサービスは論文が受理された後に利用できるので、そこまで持っていくためには当面DeepLとGoogle翻訳+ Grammarlyのコンビ使用が今の所最適解だと思う。共同研究者にネイティブがいればその人に、いなければ仲の良いネイティブの研究者に論文の英語表現の最終チェックをお願いするのも有効な手段だと思う。
簡潔にいえば、スキルマーケット、という形式で、
「夏休みの自由研究、代わりにやります」というのと同じように、
「あなたの論文書きます」という代行が横行するのではないか、という話ですね。
 「能力偽装の恐れ」という記事タイトルは、わかりにくいですが、金で実績がつくれてしまうのではないか、という話でしょう。

プロの研究者のレベルで横行するかどうかはわかりません。少なくとも、その分野の最先端のレベルの論文が書ける研究者は世界に何人もいないし、同業者なら誰が書いたか、一目でわかります。
 学生のレベルであれば、「レポート執筆代行します」や「卒論執筆代行します」は世界中で横行しています。欧米でも、中国でも起きているし、日本でも起きています。
 お粗末なコピー&ペーストであれば、教員は一発で見破れますが、代行業に書かれたものだと、なかなか見破れません。
 日本語の代行執筆業はマーケットが小さいですが、英語で論文やレポートを書く代行業のマーケットは非常に大きく、アフリカや南アジアでは、代行執筆のレポートや論文が大量生産され続けています。

米国人大学生の論文をケニアで書く 論文代筆ビジネス、いまやグローバル産業に
https://globe.asahi.com/article/12813245
記事の指摘は、極めて重要な一石を投じている。これは、そもそもとして、所属する大学における「利益相反マネジメント」の問題だろう。単に、ゴースト・オーサーシップの問題ではない。ゴースト・オーサーシップの問題だけなら、既に文部科学省や学界が目を光らせている。

自らの研究や教育で得た知見を、どこまでどのような形で提供するのが許されるかは、大学では利益相反マネジメントとして扱われている。当大学でも、利益相反マネジメント・ポリシーに従って、兼業等の事前報告・承認を受けている。
https://www.research.keio.ac.jp/external/cmp/02.html

それがない大学は、早期に改めるべき重大な欠陥があるといわざるをえない。
これはある意味で時代の流れであり、かつては手作業の実験を外注して時間をカネで買うように、手作業の分析や執筆を外注してチエをカネで買う時代が来たというだけではないでしょうか。有償の役務提供なら謝辞レベルなので、ゴーストオーサーシップには必ずしも抵触しないような。

畢竟、研究や研究者の新奇性・独創性や付加価値とは何かという議論に至ります。ビッグボスともなればもはや自ら手を動かすことはなくなるわけですし。個人的には、独創的なアイデアをもとに全て外注で研究を遂行し価値を創出するファブレスモデルなども今後あって良いと思います。
それだけ日本の研究者が純粋な研究で満足いく待遇ではないということなのか、どうなんでしょう。。
スキルのモジュール化、スキル売買や市場化、ネットワーク化は様々な分野で重要になると思っていて、もっと前向きに考えたいです。たとえばワクチンは免疫力というスキルを人工的に付与するのでスキルを買っていることになりますね。またドラゴン桜2では作者(三田紀房氏)はネームのみを作成して作画は外注するというスタイルを取っています:

https://president.jp/articles/-/45335?page=1

論文にしても、たとえば産業界で何か技術ができたときに、特許だけではなく論文化して人類の知に貢献したい、しかしアカデミックに論文を書くスキルはない、といった場合にサポートがある(サポートを買える)のは別に悪いことではなくむしろ望ましいと思えます。特許についていえば発明者と弁理士の分業体制ができていて、ドラゴン桜でのネームと作画の関係に近いと言えます。またアウトソースする先も、人間だけではなくAIやAIと人間のハイブリッドになるでしょう。

とすると、論文にとっての「ネーム」とは何か、を議論しておく必要がありますね(それがなくなるとオーサーシップが消失する研究の核となるもの)。
研究公正の問題を集中的に取材した時期があります。製薬業界の関係者が医師の論文執筆を代行するという不正行為はかつて広く行われていたという証言を何度も聞きました。やがて利益相反のルールが厳しくなり、そのような業界の慣習はなくなった(と信じたい)一方、現在は「●ページ●ドル」など堂々と執筆代行サービスをうたう業者が存在します。「アカデミック」「ゴーストライティング」などで英語検索すればさまざまな業者がでてきます。今回の個人の「研究スキル」売買問題は、関与の度合い、第三者の貢献を論文に記載するかどうかで狭義の研究不正に該当するかどうかはケースバイケースになるでしょう。それにしても、こうして書かれた論文を査読する人はボランティアという構図は歪みと呼ぶほかないでしょう。
こちらはなかなかにデリケートな問題を含んでいます。例えば、国際学術誌への投稿には英語で論文を書く必要がありますが、ネイディブのエディターに対価を払って手伝ってもらうことがあります。そういう会社もありますし、個人事業主の方も、あるいは研究者がパートタイム的に行う場合もあり、これを「能力偽装」と捉えられると、非英語話者はたいへんに困ります。

「研究スキル売買」と「リサーチ会社への発注」の境界も難しいですね。

【追記】2021.9.14
北海道大学図書館からのツイートで以下のような問題もあることを知りました。ご参考まで。
=====
学生にアルバイトと称し、所属大学の図書館が契約しているデータベースを検索させ、その内容を提供させる会社があるとのことです。
このような第三者にデータベースの内容を提供する行為は、契約違反行為となりますので、絶対に行わないでください。
これは今までの日本の科学軽視の結果でしょう。。
基礎研究なくして未来の発展はないですね。。
医師として論文などを書く身ですが、まずまともな方が利用するサービスとは思えません。

まずもって「匿名で論文」が理解できません。
きちんと監督支援するなら論文には名前が載りますし、(きちんとした論文なら)それは指導した側にも実績となります。

本当にきちんと学問をやっている教員なら、このような事を行うのはリスクにしかなりません。逆に依頼側としても、匿名の相手への依頼は学術的にはリスクです。

つまり、依頼側も提供側もリスクがあるものであり、この様なプラットフォームを利用する方がいるとしたら、匿名性を用いるメリットがある方ということになります。
早期に規制される必要があるサービスと感じます。
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