セイロン紅茶の危機? スリランカ有機革命の波紋
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この記事若干補足すると「化学肥料の輸入を禁止」とラジャパクサ大統領が宣言している背景にはもちろん、域内トレンドの有機農業の推進傍ら深刻な対インド貿易赤字解消の一手でもあるということ。
実は我がネパールも紅茶産業の有機農業化は進んでいて、地理的表示GI保護制度と有機農業を掛けてブランディング化していくのが潮流のような気がしています。小野さんご指摘の箇所は数日前の現地紙でも記事化されていて
"Organic push threatens tea growers in eastern hills"
https://kathmandupost.com/money/2021/09/04/organic-push-threatens-tea-growers-in-eastern-hills
良質な茶葉の安定調達が困難、この課題は今後大きく改善されないと僕自身見込むなか、有機農業の推進という柱は変わらず、
・自国内で化学肥料を製造すること
・有機農業認証制度の価値が希薄化すること
この二点を中心に制度設計自体が変化していくと読んでいます。特に後者は産地が監査費用のコストを価格に吸収出来ず付加価値の幅を縮小させている点に付き、有機認証は二者監査、つまり産地のコミュニティ単位で基準を決定し、その判断もコミュニティで行っていく流れになるのかなと。
既にインドが二者監査有機に国を挙げて取り組んでいるなか、その母数がマジョリティとなり、ラベリングの価値は希薄化、国際基準に沿った厳格な有機認証ではなく、コミュニティ促進的な有機が増えて行くでしょう。これグローバルトレンドだよ!とレクしてもラベル命の近視眼的SDGs派の方には納得されませんが笑
注目のコメント
トップが強硬に進める有機農業の波紋
最悪生産量が半減するかもという話。
短期的には大打撃でも中長期的にはブレイクスルーがあるかもしれないので
この記事だけを持って大失策と言っていいのかよくわかりません。
ただ、その短期の生産減で貧困層はさらに追い詰められていくのは間違い無いでしょう。
それでも、日本含め世界的にはこっちの方向にいこうという圧が働いているのは事実です。
化学肥料や、農薬との訣別は「優しい世界」の実現ではなく、
食えない人はより食えない「残酷な世界」の実現の可能性が高いことも認識するべきでしょう。
人類史的には残酷な世界を通り抜けて次のフェーズに行くことも少なくないのでそこはなんともですが。
そういう覚悟をもって現代農業を否定している人はどれだけいるのだろう。